2010.10〜2011.08
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2011.08.31
 野田さんだけは総理は勘弁と思っていたら野田さんで決まってしまいました。
円高不況、新卒者の就職難、パートの解雇、生保の急増の中で復興を旗印に所得税、法人税を増税したら更なる雇用悪化で、多分1年後は、昭和初期のように「大学は出たけれど」という時代になりそうです。
就職難になれば福祉の費用も増え、扶助費(生保などを面倒見る費用)も増えて、高齢者の負担増も始まると思います。
増税すれば今度の選挙で自民党にぼろ負けして政権を失い、増税のおいしい部分は自民党の代議士にキックバックされるだけと思っています。

 今日は抗凝固剤の話をします。抗血栓剤と抗凝固剤は異なります。抗血栓剤は血液から剥がれた血栓がつまらないようにする薬で、バッファリン81mg、バイアスピリン、パナルジン(チクロピジン)、プレタールなどは代表薬剤です。血液から剥がれた血栓はそう大きいものではありませんから抗血栓剤で十分対応できます。
 通常は副作用の小さいアスピリン製剤(バッファリン81mg、バイアスピリン)が用いられます。
パナルジンは重篤な黄疸をきたすことがあり、プレタールはアレルギーのある人ですと重症の横紋筋融解症を来たし、ひいては腎不全になります(つい1年前も二俣尾の方が某大学病院から処方されたプレタールで腎不全直前まで行きましたが、早めに当院に来てくれたことと、この副作用の前知識がたまたまあったので事なきを得ました)。アスピリン製剤の副作用は胃腸障害とこれに伴う貧血です。これに十分気を配れば安心な薬剤です。
 一方、重要な薬剤は抗凝固剤です。代表的な薬剤はワーファリンです。
 最近ダビガトロン(商品名プラザキサ)という薬もベーリンガーからも発売されました。特殊な条件の下では心臓で血栓以上の塊のような血塊が生まれます。
その条件というのは心房細動です。英語表記の(Atrial Fibillation)を略してafと記載している先生が殆んどです。心房細動は心臓がドッキ、ドッキと規則正しく収縮できず、ぶるぶる震えている状態です。血液がよどみ流出の障害が生じます。この状況下でフィブリン(繊維素)や赤血球、血小板が絡み合い、血栓が生じます。
これが脳に飛ぶと脳塞栓を来たし死亡します。従って心房細動が認められた場合は抗凝固剤が必要です。
 従来はワーファリンしかありませんでした。ワーファリンは廉価ないい薬でしたが、ビタミンKと喧嘩するため、納豆などのようなビタミンKを含む食料が食べられなくなります。
 プラザキサはこれが無い反面、腎機能が悪化(男性ではクレアチニン値で1.5女性では1.3以上)していると逆に脳出血の危険性が生じますの注意が必要です。
プラザキサはつい最近警告書が出ましたが、未熟な知識を持った医師の強行使用によるものであることは症例からは簡単に読めるような症例でした。
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2011.08.28
 一週間夏休みを頂いたのに後3日間を残して、患者数は1500人を越えました。やっぱり忙しかった8月でした。
 最近患者さんが市内の整形外科に行くと必ず骨粗鬆症といわれて投薬されてきます。本当に骨粗鬆症なのでしょうかと疑問に思うこともあります。簡易型の測定以外を薦めます。
 骨粗鬆症の薬には主要な薬は2種類あります。一つはビスフォスフォネート系薬剤と、もう一つはSERM製剤です。
前者にはリカルボン、ベネット、フォサマック、ボナロン、アクトネルなどが処方されています。欠点は額骨壊死を引き起こすことです。歯科に通院中の方は歯科の先生と相談してください。
 もう一つのSERMというのは選択的エストロゲンレセプターモジュレーターのことです。一種のエストロゲン製剤です。
 閉経後の女性がターゲットの薬剤で中外製薬のエビスタに加え、最近ビビアントという薬もファイザー製薬から発売されました。エストロゲンはエストロゲンレセプターのα、βに作用して骨吸収を抑制します。副作用は乳癌、子宮体癌、静脈血栓の増加があげられます。
閉経後の骨粗鬆症が適応なのですが、副作用の重さから考えるとビスフォスフォネート製剤のほうが無難に思います。エストロゲン自体に乳癌の発生率を高める作用があるのでやはり危険な薬剤だと思います。
 青梅では1軒の整形外科が盛んにエビスタを処方しています。最近ピルを婦人科で子宮内膜症に対して頻繁に処方されています。
ピルの一種であるドロスピレノン/エチニルエストラジオール製剤であるバイエル製薬のヤーズに至っては心筋梗塞や肺塞栓症の発症が報告され、やはりバイエルのレボノルゲストレル/エチニルエストラジオール製剤のミレーナに至っては脳血栓や心筋梗塞での死亡例も出ていますので、出来うれば避けたいものです。
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2011.08.26
長らくの夏休みを頂きました。
明日からまた年末までノンストップで頑張ります。

 質問を何個か頂きました。
1、 まず肥満に効く漢方 防風通聖散 効きますか
テレビではワハハ本舗の方が宣伝していますが、「全く効きません」が解答です。減脂肪食が一番です。カロリーを落とすよりも減脂肪食がベストです。
おなかを引き締めたかったらランニングがベストです。散歩では駄目です。上下におなかの脂肪が揺すられないと取れません。

2、飲むヒアルロン酸、皇潤や世田谷自然食品のヒアルロン酸などはいかがでしょうか
ヒアルロン酸自体の分子量が多いので、吸収はかなり難しいです。効果はないとは言えませんがはっきりした効果は得られません。
 これらを飲むのだったらにんにくをお薦めします。
にんにくの成分のアリシンは高い抗酸化作用で発癌リスクを減らすだけでなく、ビタミンB1の吸収促進作用もあります。つまり疲労回復させます。
にんにくの成分のアホエンは脳におけるアセチルコリンの分解を抑制しますので、脳の機能低下を防ぎます。
 また胴を多量に含んでいるので貧血の改善だけでなくコラーゲンの合成促進作用があり、ヒアルロン酸以上の効果が得られます。このコラーゲン合成促進作用は多量のビタミンCやオクラや納豆などねばねばしたもの(ムチン質)にもあります。サプリに頼らず自然のものでかなり良くなります。

3、にんにく卵黄はいかがですか
にんにくは効果がありますが、卵黄はコレステロールを多量に含むため、高脂肪血症の方には大敵です。
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2011.08.16
 最近頭痛の患者さんがかなり見えられます。
頭痛の大半は筋収縮性の頭痛です。頭痛の85%を占めるとも言われています。血圧の高いときにもこの頭痛が見られますので、血圧の高い人は血圧の加療が必要です。マッサージの施術師から内科受診を勧められたような例も多々あります。
 原因について述べます。
肩から背中にかけて僧帽筋という筋肉があります。ここに負担がかかると頭頂部から耳にかけて走る側頭筋群、後頭部から耳にかけて走る後頭筋群の筋肉の収縮により血流の阻害が生じて痛みを覚えるようになります。
これが筋収縮性の頭痛です。マッサージさんなどに行くとよく揉んでくれて一時的には楽になりますが、原因の除去にならないのでしばらくすると元の木阿弥になります。
治療は至って簡単で、消炎剤、筋弛緩剤の組み合わせがベストです。モーラステープのように消炎剤に加え、スースーする成分の入ったテープでもかなり楽になります。
 眼の疲労、睡眠不足などが悪化の要因になります。入浴や休息がいいのですが、最近サマータイムなどが実施されて、サラリーマンが1時間早く出社させられているような状況下で、一緒に起きる妻も睡眠不足から筋緊張性の頭痛を訴える方が多く見られるようになりました。
1にも2にも休息、十分な睡眠が必要であることは言うまでもありません。
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2011.08.08
皆さんはいわゆる老人病院にどんなイメージをもっていらっしゃいますか。
青梅市にも数多くの老人病院(本当の呼び名は療養型病院)があります。療養型病院以外にも急性期の病院でもなく、かつ療養型病院でもなく、特別養護施設でもない施設(中間施設)も青梅には2軒あります。この中間施設も本当は6ヶ月しか滞在できないのですが、延長の繰り返しで亡くなるまでそのまま滞在している方が殆んどです。
 簡単に言うと自分も含め、一旦入ってしまったら開かずの門、つまり終身刑の刑務所みたいなイメージを持つ人も多いと思います。
 ところが先日休日診療所に当番で行った時に羽村三慶病院の看護士さんと話してみると自分がかなり間違った認識をしていることに気付きました。回復期リハ病棟を持っている施設が増えてきているという話です。青梅ではまだまだ、全然の状況ですが、自宅帰宅率60%、重症患者在籍率15%以上をクリアーすると、最高ランクになるそうで、付近では日の出町の大久野病院がこのランクに該当しているそうです。
 羽村三慶さんも以前はこのランクでした。今はこの下のランクですが、病院自体は大久野病院と同じ最高ランク入りを目指しているそうです。とても立派なことです。
青梅にある三慶病院を見る限り同じ系列なのですが、まるで違う経営者の病院に思えてなりませんでした。
 医師会の集まりでも大久野病院のすごさというか、目標というか方針はかなり多くの先生方が評価されていました。僕も帰還率の高さが群を抜いていることは常常感じていました。リハを担当している、リハビリ技師、ナースなどの努力で、大腿骨の骨折や、軽い脳梗塞、脳出血の患者さんが自宅に積極的に帰れる時代が準備されてきています。
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2011.08.02
 7月の前半は鬼のような忙しさでしたが 後半は気温が下がったためか、暇な状況でした。1685名の患者さんにお越しいただきました。先月よりも20名ほど少ない人数でした。
 基礎的な質問を受けたので改めてお答えします。
高血圧の基準です。収縮期120以下・拡張期80以下が正常血圧です。つまり110台以下が薦められる至適高血圧ということです。
収縮期130以下・拡張期85以下が正常血圧、収縮期140以上・拡張期90以上は高血圧です。
特に収縮期160以上拡張期100以上は中等症の高血圧ということになります。中等症といえば聞こえはいいのですが、重症の一歩手前ということになります。
 しかしながら実際の臨床で140前後の血圧の人に投薬しても飲んではくれません。実際に飲んでくれるのは160以上の方です。
 飲んでくれるきっかけは大抵が、重症の肩凝りです。時に重い頭痛を伴います。これを治そうとして、マッサージや整形外科に行っても肩凝りが治らないという訴えで来られる人が大半です。
血圧が上がると異様な肩凝りに見舞われます。しかしそれを高血圧のせいだとは思わないのが普通ですから、マッサージさんや、整体さんや、整形外科に通うというのが通例です。
 血圧は若いときには110前後である方が大半です。体質的に高コレステロール血症の人や親族、家族に高血圧の家系がある人は注意してください。
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2011.07.26
 今日はビクトーザという薬の話をします。この話をする前にはバイエッタの話をしなければなりません。
 アメリカ南西部に住む毒トカゲのヒーラモンスターの唾液腺の毒から発見されたEXENDIN-4の成分を人工的に合成できたことから、製薬が始まりました。 これをバイエル社が開発したのでバイエッタという名前になりました。
米国ではこれが人間のホルモンであるGLP-1の作用を促すアナログ製剤として開発されました。トカゲが大量のものをいっぺんに食べても高血糖にならず、むしろ一定以上の血糖値が保っていられるのは何故だろうという研究から、唾液に含まれるEXENDINが研究され、EXENDIN-4という物質が人の腸のL細胞にあるGLP-1というホルモンに近いことが発見されました。
EXENDIN-4の研究から米国ではこのEXENDIN-4の人工合成製剤であるバイエッタが発売されました。
 日本でも発売という時期に、バイエッタを米国の糖尿病の専門医がインスリンに変わる製剤と期待したため、インスリン療法から変えた人に高血糖が頻発し、日本での発売が遅れ、その隙を突いてまず、ビクトーザという製剤が発売されました。
これらのGLP-1製剤の利点は従来のスルホンウレア製剤は膵臓のβ細胞に鞭を打って、なけなしのインスリンを搾り取っていたのに対し、GLP-1製剤はインスリンそのものを作る指令もβ細胞に指示することができるため、在庫を配送する一方、生産ラインを拡充する工場のように膵臓のβ細胞を変革させるため、分泌促進かつ、生産向上といういい循環が生まれています。
 馬場医院のような開業医では入院の対応がないため、著しく効果がある半面、低血糖発作が起こりやすい薬だと使用しづらい傾向があります。一方、総合病院などの場合は内分泌代謝科の専門医が常駐しかつ、入院対応ができるためインスリン加療やビクトーザやバイエッタのようなGLP-1アナログ製剤が使用しやすい利点があります。
 当院でインスリン治療止むなしとして紹介した、中等度の糖尿病の患者さんがビクトーザにより単一治療ですっかり良くなって、戻ってきたのにはとてもビックリしました。重症化してない方には是非お勧めする治療法です。
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2011.07.21
子供さんの高熱風邪が多く見られるようになってきました。
多くの医院、小児科、内科を問わずムコダイン、ペリアクチンというような殆んど同じような処方なので、こちらは抗生剤を加えるだけですぐに治癒します。
 今月に入っての特徴は、子供の咽喉頭炎と大人の脱水症、熱中症です ホームでも何人かは同じように食事ができなくなり、高熱を呈し、時に吐き気、眩暈を訴える患者さんがいますが点滴を2日くらい施行すると、すぐに回復し食欲も復活しますが、ぐったりしているときには誤嚥性の肺炎を起こす確率が高まるので要注意です。
 熱中症に多くの医師やマスコミが首に冷えた保冷剤入りのスカーフのような巻物を推薦しています。
私もやってみましたが効果は抜群です。是非皆さんもやってみてください。
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2011.07.15
 今日も熱中症(hyper thermia)の患者さんが4〜5人は来ています。症状は眩暈、吐き気、頭痛、食欲不振と同じように訴え、点滴が終わる頃にはかなり元気になっています。
熱中症予防には部屋の温度を下げることと共に、湿気を取ることも大切です。必要によっては水風呂や行水も効果があります。頻繁に下着を交換し、かつ汗を流し去る、かつ首やわきの下に保冷剤入りの巻物をあてがうだけでも効果があります。できうればエアコンのある部屋に移ることが最善です。
 こんな努力を国民がしているにもかかわらず、昨日の古館さんと東電の社長との対談を見ると、ある事実が分かってきました。足らないのは電力の総量ではなく、東電の作る電力が足らないということです。
東電が埋蔵電力(JRの発電設備やごみ処理施設の発電設備から産生される電力)を買わないので電力の総量が不足しているのが事実のようです。
 この埋蔵電力を民間会社が買っても、今の法律では大量の電気契約者以外は売れません。まるで中国や北朝鮮のような共産主義国家のように、半官半民に近い東電の電力以外を小口の使用者は契約できないように自由化がなされていないのが現実です。
 ちなみに立川競輪や立川市の小中学校は東電以外の住友系の商社が関与する電力会社から電力供給を受け、費用が安く済んでいます。
 このような状況のなか、熱中症で体調を崩されているのは、主として高齢者で、戦前の天皇を頂点とした国家中心主義の元に統制された思想や経済体制に従順なるように教育された方々です。電気は電気予報を見ながらどんどん使用しましょうといいたいです。自由化を拒否している政府のために犠牲になる必要はありません。
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2011.07.12
 7月4日から1週間、熱中症の患者さんがとても多い状況になりました。
熱中症は体温調節が効かなくなって、筋肉のこむら返りや吐き気、眩暈、だるさ、体温の上昇に伴う頭痛が主症状です。昼から夕方に多く見られます。
 7時ごろに治療をという依頼が何件かありました。知っている方もいれば、全くの初診の方もいました。
しかしながら診療の終わった頃に、この熱中症の患者さんを受けてしまうと、まともに夕食も摂取できなくなります。理由は1時間半の間、点滴治療に付き合わねばならないからです。従って開業医で熱中症患者を受け始めると次々に熱中症の患者さんが来てしまい、さながら救急診療所のようになってしまいます。
かといって準夜の市の診療所も昨日当番だったのですが、点滴は行わないという方針ですので、実際困っています。
以前は青梅市では大門診療所が市の救急診療所として軽症患者さんを受けていただけたので助かっていましたが、今は点滴のできる救急診療所がない状況です。
 熱中症の予防は1にも2にもエアコンです。エアコンは室内温度を下げるのみならず、湿気を取ってくれるため、肌がさらさらし体温コントロールが容易になります。
ホームも含めて高齢者はたくさんの衣服を着ているうえに、冷房をかけない人が多く、肌がコーティングされたようにベトベトになって発汗による体温コントロールを妨害しています。エアコンが効くとベトベトも取れてきて体温コントロールも効果的になります。
 熱中症も中等度以上の状態になると、吐き気と眩暈も同時に襲ってくるため治療は病院規模で必要ですが、点滴のできる施設ならなんとかなります。
馬場医院も含め点滴のできる医院に、閉院の1時間前になんとか駆け込んでください。
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2011.07.06
 6月は比較的暇な一月でした。今年は節電で皆さんが冷房を控えたため、また交通機関やデパート、劇場、映画館などでの設定温度が高めのためでしょうか、風邪が少なかったように思えます。
特に咽喉頭痛を伴うような風邪は少し流行りましたが、全体的な数としては少なかったように思えました。
6月は健診のみや、予防接種のみの患者さんを除いて1703名の患者さんにお越しいただきました。

 今日は2つの話題に触れます。
1つは馬場医院の4月22日の話題で触れた禁煙補助剤チャンピックスのことです。
以前より精神異常の副作用(攻撃性の増大、自殺企図、鬱症状の増悪)が報告されていましたが、今回はこれに加え心血管系の副作用がイギリスの科学者から指摘されています。
6月にも米国FDAからも危険と報告されていた心血管系の副作用が報告されています。つまり6月に米国、7月には英国で相次いで心血管系の副作用(狭心症、動脈血栓症)が報告されたわけです。取り敢えずはやめておくのがいいと思います。

 2つ目は土曜日の格闘のことです。
アナフィラキシーショックを経験しました。患者さんは82歳の女性、ベースに肺気腫があります。この方は非喫煙者ですが古い肋膜炎の後遺症があります。弱い気管支拡張症も合併しています。水曜日から風邪気味でした。加えて土曜日は酷暑で、熱中症傾向のためか脱水症がありましたので、水分の点滴のみを指示しました。
 ところが患者さんが2〜3日前から熱が出ていて、経口剤の抗生剤では熱が下がらないので、先月、先々月にも投与してもらった、いつもの抗生剤を加えて欲しいとの希望がありました。
通常なら点滴バッグを下に向けて抗生剤を溶解注入するのですが、今回は途中の要望でしたので下から注入をしました。抗生剤注入後に間もなく体が発赤、腕も顔も発赤し、応答が少し悪いとの報告がナースからあったので点滴を中止し、観察を始めた途端、右手の痙攣とともに呼吸が停止、みるみるチアノーゼ気味になります。
この手の修羅場は何度も救急医療で1人でくぐっているのでこの程度では私はへこたれません。20秒以内に挿管し呼吸路を確保、心臓は大丈夫なので頑張れば乗り切れるとの確信を持って電解質の点滴を早め、ショックへの対症療法を施行したら2分後に意識回復、一気に良くなりました。救急車はこの日は酷暑で混んでいたため、青梅管内は出払っていたため羽村救急隊が意識回復後の45分後に到着しました。
患者さんは救急車に乗る頃は完全回復していました、と余裕で書いていますが実は内心は少し怖かったです。同じ抗生剤で発症したためメーカーにショックの原因になった抗生剤の空アンプル及び同じ製造番号のロットの検証を依頼しました。
救急はやっておいて良かったというのが今回の教訓です。
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2011.06.28
 今日は夏に多い蕁麻疹についてお話します。
まず雑学から
英語の名前のurticaria vurgarisはラテン語のURTICAから由来し、日本語の蕁麻疹の蕁麻とは草のイラクサのことです。イラクサに触ると発疹するため、このような表記になりました。ドイツ語ではNESSELSUCHTといいます。NESSELはイラクサのことでSUCHTは疾病という意味です。
医者で尋常性小学校の尋常の尋を書く人がいますがこれは誤りです。
 これからが本文です。
蕁麻疹は日光や寒冷刺激などの外因的要因のほか、食物や体内からの刺激でも起こります。花粉症と機所は似ていて、刺激により真皮内の肥満細胞が活性化しSRS-Aという顆粒が放出され、ヒスタミンもこれに含まれているため、このヒスタミンが放出されます。
ヒスタミンが毛細血管に結合すると毛細血管は拡張し血液の液体成分である血漿が表皮内に露出し皮膚に膨らみをもたらします。
 一方、表皮表面にある知覚線維(C線維)にヒスタミンが結合すると猛烈な痒みをもたらします。
治療は至って簡単で花粉症の薬を飲めば終わりです。抗ヒスタミン剤に加え、抗アレルギー剤を飲めば言うことなし 重症例は注射が効果的です。
市販薬は抗ヒスタミン剤のみなので効果は弱いですが、効かないということはありません。
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2011.06.24
 咽喉頭痛のひどい風邪が流行ってきました。
例年に比べれば冷房を皆さんが控えているために少ないですが、肺気腫などの基礎疾患を持っている方では急性の気管支炎に波及し高熱脱水を併発しています。
早めに治療をしてください。
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2011.06.20
 先日江戸川区の船堀で老人による歩道暴走による人身事故がおきました。
同じような事故は各地で起きています。
三田地区でも斜め走行による老人の単独事故は頻繁に起きています。警察はペダルの踏み違えと説明していますが、車を運転したことがあれば加速時にフルペダルで床まで踏み込むような加速をする人はいませんから、これが単なる警察の発表したような事実どおりではないと分かると思います。
 この船堀の事故のケースは一方通行に間違って入ろうとして、標識を見て誤りに気付き、一旦バックします。ハンドルを切り、ギアーをドライブに入れて、車道に向けて急発進してしまい、人身事故に至ったわけです。
ゆっくりアクセルペダルを踏むとゆっくり発進しますから制御不能になることはありません。
99.99%のドライバーはゆっくりと踏んでいるわけで決して車は暴走しません。暴走する理由は踏み間違えではなく、踏みしろが分からなくなるためにおきるのと思います。
 高齢になると膝から下が弱くなり感覚も鈍麻の状態になります。これは高齢者なら誰しもが感じることです。その自覚を解消するためでしょうか、効くか効かないかは僕には分かりませんが、世田谷自然食品のグルコサミンとか皇潤みたいなサプリが売れに売れているわけです。
 高齢になると、なかなか運動はしづらくなります。従って初老期から運動を強化していかないと下半身の老化が進みます。下半身の強化は骨盤を支える筋肉の強化も必須です。大殿筋、内転筋の強化が必須です。
 特に大殿筋が弱くなると骨盤を支えきれなくなり体が後ろに反るようになります。加えて階段が上がりづらくなります。
 そんな年寄りの話なんかと思っているうちに老化は着実に進行しています。スポーツクラブ等に行くのも一つの解決策ですが、簡単にできる方法は坂道の歩行です。筋肉が鍛えられるとお尻にえくぼができ、太ももは硬くなります。
 又、インナーマッスルと呼ばれる筋肉を鍛えるとソマトメジンCという抗老化ホルモンの分泌が促され若々しくもなります。
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2011.06.17
これからは梅雨の季節です。
雨に混じって大量の放射能が降り注いでいます。
証拠に下水の汚泥の中には大量の放射性物質が含まれています。雨に当たらないよう気をつけましょう。

 今日は降圧剤の副作用の第2弾です。
β遮断剤:テノーミン、アーティスト、メインテート、セレクトール、インデラール、アセタノールなどが代表薬剤です。
利点はCa拮抗剤のように動悸の副作用が少ないことです しかしこれが逆に除脈の副作用や、心不全の副作用を生じることにもなります。作用は心臓での勢いを抑えて降圧作用をもたらすのが特徴です。
 例えますと水道の蛇口を絞って水圧を落とすのと同じです。従って元々心臓の駈出力の弱い高齢者や、心臓を抑える一方、アドレナリン受容体のβ2も抑制するため、β2の作用である気管支拡張作用も抑制するため喘息の患者さんには不向きです。
逆にCa拮抗剤で頻回に動悸を訴える若い人には向いている薬です。
 サイザイド系利尿剤:フルイトラン、ニュートライドなどが代表薬剤です。
 以前はかなり使用されていましたが今は余り使用されません。Naを排出する薬なので食塩をたくさん摂取する日本人にはいい薬なのですが、尿酸値を上げたり、糖を上昇させたり、カリウムが欠乏したりと副作用自体が多いからです。
 しかしながら食塩摂取を制限できない人にはいい薬です。
 このほかに交感神経系の神経抑制剤がありますが青梅より西地区では使用しているのは1件くらいしかありませんので省略します。
 その他の降圧剤の副作用は後日書きます。
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2011.06.10
先日降圧剤の副作用について教えてくださいという希望がありましたので、ここで書きます。
 まずよく用いられる順に
1、カルシウム拮抗剤 コニール カルブロック アダラート ノルバスク アムロジン ペルジピン ニバジールなどが代表薬剤です。ヘルベッサーとワソランもこの種の薬ですが、この両薬剤は降圧剤というよりも頻脈改善剤や狭心症の薬剤として用いられますのでここでは触れません。
副作用は、下腿に浮腫、顔面紅潮、頻脈、とりわけ患者さんは下腿の浮腫を気にします。この機序は動脈の拡張度合いが静脈に比べて強いことから、末端に大量の血液を送るものの、静脈を通しての還流が十分でないために起こります。 膝下の浮腫が極めて特徴的です。
アンギオテンシン酵素阻害剤(AT1受容体ブロッカー)ブロプレス オルメテック ミカルディス ニューロタン イルベタン ディオバンなどが代表薬剤です。
副作用は腎機能の悪化、カリウムの上昇、眩暈、午前中のふらつき感、こむら返り。腎機能の悪化はカリウムに由来しているとも言われていますが、定期検査が必要です。
眩暈と午前中のふらつき感は、受容体への結合度が強い薬ほど、一気に血圧を下げるために起こるとも言われています。そのため10mgを朝1回で処方せず、朝晩に5mgずつ出したり、午前中15mgを処方せず、朝に5mg夜に10mgを処方するなどのテクニックが要求されます。
 先日も近くの医院でブロプレスの12mgを朝に処方されている方が眩暈とふらつき感で来院されたので、朝4mg夜8mgに調整したところ改善しました。
 もう一人は健診施設からブロプレスを8mg、メインテートを5mgともに朝1回で処方され、脱力感と眩暈がひどいと言われていましたので、ブロプレスを朝4mg、夜4mgに分け、脈がメインテートのため50前後にまで落ちていたので中止し、コニールに変更し改善しました。
基本は変えずに処方タイミングを変更しているだけのテクニックです。AT1受容体への親和度が高い、切れのいい薬ほど眩暈の頻度は強いようです。
 またこの薬を飲んでいる人にこむら返りがあることも報告されています。
α1ブロッカー、カルデナリン、エブランチル バソメット ミニプレスなどが代表薬剤です。副作用は立ちくらみです。
 よく効きますが立ちくらみがあります。従って夜、または寝る前にもう1剤加えるにはいい薬です。
またこの薬は前立腺の組織にも効くため前立腺肥大の薬として泌尿器科からも処方されることが多いため、必ずこれを泌尿器科からももらっていると患者さんが申告されないと過度の降圧をきたしてしまいます。
 その他の降圧剤の副作用は後日書きます。
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2011.06.03
5月は1690名の患者さんに来院していただきました。目標よりも10名少ない数でした。

 先日のこと森永卓郎先生という大変有名な経済学者がコンビニ医院という便利な医院があるというような宣伝なのか、自分の持論なのかをテレビで述べていられました。
要約すると医院などの初診施設はビルの一角の施設で十分で、医院には検査器具など要らないという極論です。必要な検査は病院でやればよく、聴診器一本で用が足りる、という説明でした。
 これは素人には正論でしょうが、紹介するにも、何が最も考えられるかということを初診の医師が予測しないと患者さんの行く先は未定になります。
腹痛でも泌尿器のこともあれば、婦人科のこともありますし、嘔吐が初発症状の急性心筋梗塞などはざらにあります。従ってある程度検査をしてから紹介して、婦人科か、泌尿器科か、内科でも循環器なのか、消化器なのかという一定の目標を示して紹介しないと患者さんは病院内で振り回されてしまいます。
 以前にも書きましたが当院では、武田薬品から出た認知症改善剤のレミニールをアリセプトに変えて処方していますが、効果は格段の差があります。従来のアリセプトはアセチルコリンエステラーゼの阻害作用だけでしたが、レミニール(一般名ガランタミン)はこの作用のみならず、ニコチン受容体に結合し、前膜ではアセチルコリンの放出を増強、後膜ではニコチン受容体の感受性を亢進させて、シグナル伝達の増加作用を有しています。
欧米ではガランタミンとメマンチンの併用が主流であり、従来型のアリセプト(一般名ドネペジル)やリバスチグミンを主流としては使用してはいません。
 アリセプト全盛というのは日本だけの特異な市場です。ガランタミン、メマンチンという海外での標準治療薬が日本でもやっと処方できる時代になりました。
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2011.05.27
 今日に市立西中の健診に行ってビックリしたこと
それは花粉症に伴って発症したアレルギー性の肺臓炎を喘息と診断し、「喘息の薬をこれからも1年中飲み続けなさい」と指示している医者の多いことです。
花粉症に伴っておきる咳は喘息ではありません。花粉によるアレルギー性の肺臓炎に伴う咳です。
従って花粉が飛ばなくなれば症状はなくなりますから飲む必要はありません。
 簡単なたとえで説明すると漆にかぶれたら、かぶれが治るまでは薬が必要ですが、治れば不要です。飲み続ける人などありません。
今年くらい花粉が多いと咳喘息のような症状になりますから、ステロイドの吸入器等をあてずっぽうに処方すると患者さんが効いたと言ってくれたりします。すると喘息で間違いなしという自信に満ちた誤診をしてしまい、その後1年中の服用を勧める事態に至っているのです。
アドエアーやキュバールやフルタイド、これら全て吸入ステロイドですから、症状がなくなっても処方され続けられていたら患者さんはいい迷惑です。
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2011.05.22
 久しぶりに電車に乗って気付きました。いすの上の天井に近いところにある広告が無い。特にシルバーシートの上は殆んど無いことの気付きました。
青梅と奥多摩間を走る電車には特に無い。青梅から先は増えますがそれでも空白が目に付きました。

 今日は食道がんについてお話します。
危険因子から 1、喫煙 2、飲酒 3、熱いものを良く食べる人 4、バレット潰瘍
 まず喫煙は言うまでもなく、タールやカドミウム等を吸引しているわけですから、毒を吸い続けているのと同じです。是非やめましょう。
 飲酒は胃に刺激を与え、絶えず胃酸過多状態になるほか、胃粘膜自体を痛めます。
さらに酒に弱い血統(アルデヒド脱水素酵素2型の酵素活性が低い血統)ですとさらにそのリスクは高まります。
 熱いものをフーフーして食べる人も食道粘膜に絶えず刺激が加わるため危険因子になります。昔から奈良の茶粥が危険因子とされてきました。
 バレット潰瘍というのは一般的に食道は皮膚と同じ扁平上皮細胞でできています。
しかしながら胃との接合部に胃側から円柱細胞(腺細胞)が延長して食道側に伸びてきたものをバレット上皮と呼び、多くは食道潰瘍の修復機序により作られます。これも食道癌の好発部位です。
 次に症状。嚥下障害、癌特有の体重減少、嗄声、頚部リンパ腺の触知などです。
診断は内視鏡。危ないところにヨード染色をかけます。癌の部分は染まりにくく、特に染まらない部分が桜色を呈していたら危険なサインです。
消火器癌は治りにくく、消耗も早く、かつ治療ができないくらい進展しているとすぐに大手の病院から療養型に移されますから一刻も早い診断が要求されます。
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2011.05.16
中国で四川大地震の追悼3周年に日本の民主党の幹部が参加してないのに、中国政府の共産党幹部は東北の被災地を訪問するそうです。
何故四川に行かないのかが不思議です。日本より地震の犠牲者は多かったはずです。
 多くのボランティアや自衛隊員がいまだ被災地で支援活動を続けているのを尻目に、用も無いのに日比友好議員連盟を錦の御旗に掲げてフィリピンに外遊し、挙句の果てはゴルフをやっていた3人の議員をかばうより、隣国への配慮こそが大事に思います。

 今日は2つの話題を書きます。
 1つは卵巣ののう胞についてです。最近血圧でかかっていた方の卵巣がんが判明しました。私どもには血圧でかかっていましたが、下腹部の違和感から別の産婦人科の開業医にもかかっていたそうです。
診断はチョコレートのう胞。チョコレートのう胞自体は良性です。子宮内膜症に合併して発生します。子宮内膜症が卵巣に発生し、卵巣内で出血を繰り返し、血液が卵巣に貯留します。
この血液が古くなると赤色から褐色になるのでチョコレートのう胞と呼ばれます。
しばしば破裂するので本当は手術の適応ですし、本来良性であるはずのチョコレートのう胞が癌化することもあります。
従って、早期に手術されるか、一回はMRIなどの精査を受けておくことが必要だと思います。ちなみに腫瘍マーカーにCA125という卵巣癌のマーカーもありますが危険因子は早期に取り除くことが必要であったと思われます。
 2つ目は運動の強度についてです。
運動強度を測る物差しは平常時の脈拍と、過激運動時の脈拍です。
平常時に60、過激運動時に150と仮定します。50%の運動強度を得るには105の脈拍になるような運動を、75%の運動強度を得るには120になるような強度がその目標です。一般的に高齢者は50%を、若い人は75%を目標にしてください。
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2011.05.09
胃酸分泌の仕組みをここで述べておきます。
胃酸は胃底腺壁細胞より分泌され、これにはアセチルコリン、ヒスタミン、ガストリンというホルモンが分泌に関与しています。
アセチルコリンは典型的な副交感神経からくるホルモンで、物を見たときに、おいしそうだな と思うと分泌が促されます。分泌されたアセチルコリンは胃壁細胞にあるムスカリン受容体を介して胃酸分泌を促します。
一方、ガストリンは物が胃に到達すると、その刺激により分泌され、ガストリン受容体に作用して胃酸分泌をさせる他に、クロム親和性細胞(ECL細胞)、肥満細胞を刺激してヒスタミンを放出させます。
ヒスタミンは胃壁細胞のヒスタミン受容体に作用して胃酸分泌を促します。
 以上の3受容体(ムスカリン、ガストリン、ヒスタミン)に刺激を受けると細胞膜に存在するプロトンポンプにより分泌されます。胃酸は出すぎると胸焼け、ひいては潰瘍の原因にもなります。しかしながら、胃酸は強力な消化作用以外にも強力な殺菌作用を持っています。
 殺菌作用のは1つは食べた物から来る細菌の殺菌、もう一つは鼻や喉に付着した細菌を鼻汁が捕らえるとそれを胃に無意識に人間は飲み込んでいますから、これらの菌の殺菌も行っています。高齢者は食道と胃の境目を仕切る輪ゴムのような括約筋の作用が鈍って胃酸が食道内に逆流しやすく、これが胸焼けの大きな原因になります。
従ってプロトンポンプの作用を阻害するお薬(タケプロン、パリエット、オメプラゾン、オメプラール)の投与により改善が見られますが、一方胃酸の分泌が妨げられるため殺菌力は低下します。
 小児も胃酸の濃度の低くかつ、胃からの排出速度が遅いため、殺菌力が弱く、さらに細菌のついたものが胃内に停留しやすい特徴があります。これが食中毒が高齢者、小児で多い理由です。
 実際、刺身や生野菜でも調理器具等から細菌やウィルスは侵入しています。健康なら胃が殺菌をしてくれます。嘔吐のときに味わうあの辛さは防衛力の賜物なんです。
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2011.05.04
 4月は1855人の患者さんにお越しいただきました。予想は1800だったので自分としては大入りでした。
中旬から風邪とインフルエンザの患者さんが多かったし、今月は集計に入れてない予防接種の患者さんも多かったです。
 焼き肉屋での病原性大腸菌の死亡事故があってこの連休にも4件問い合わせがありました。いずれも馴染みの患者さんからですが、治療方法です。
治療はニューキノロン剤が中心になります。「それってどんな薬なの」と聞かれますが、たいしたものではありません。通常良く処方しているタリビット、クラビット、バクシダールなどです。ポイントは早く飲むことが肝心です。
 僕も一度、とある店でひどい目にあいました。安いステーキを頼んだら、夜から吐くは、下すはで、眠れないし、気持ち悪いし、熱は出るし、自分で多めにニューキノロン剤を飲み、かつ、カルバペネムの点滴を自分で施行しました。翌日には下痢は止まりましたが、吐き気は続きました。それでも患者さんは翌日根性でこなし、翌々日はエアロにも行けちゃいました。
 早く治療をすることです。あとやばいなあと思ったらニューキノロン剤を内服してしまうことです。
刺身の色とか見てやばいなあという感覚は経験上皆さんにもあると思います。この店ではテーブルもいすも汚いし、ドリンクバーなどが非常に不衛生であった(よくこれで保健所の許可が下りるのかと疑うくらい汚い店でした)食事後やばいなあと思いましたが油断してニューキノロンを飲みませんでした。一生の不覚でした。
予防方法はまず衛生状態の悪い店には行かないこと、テーブルが汚い、ドリンクバーが汚れている、店員の衣装が汚い、コップや食器が良く洗っていないというような店です。
次に生焼けのハンバーグやステーキは絶対に食べないこと。レアがおいしいよとか言って食中毒になったら入院必死、運悪ければHUS(溶血性尿毒症症候群)を起こして透析生活が待っています。
生肉はもっての他、特にレバ刺し、ユッケ、馬刺しは食べない。馬場医院にもよくレバ刺しの下痢患者さんはよく来ていました。
この店は汚そうだ、やばそうだなと思ったら各種ニューキノロン剤を1錠、食中毒予防に飲むことお勧めします。小児の場合でも小児用バクシダールというニューキノロン剤が唯一あります。
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2011.05.02
 震災から49日が過ぎ、関東の観光地への来客も増えてきたようですが、東北や栃木の観光地は風評被害で一向に観光客が増えないそうです。原発のみならず、議会制民主主義では、利権があると議員が民意に反してこれに飛びつき、利権をばら撒いて票に結びつけるため、土木や建設会社のように利権に預かれた人達はまだしも、預かれなかった農民や漁民が仕事ができない現実はいたたましい限りです。

 これからの季節、暑くなると脳梗塞が増えてきます。
 前にもお話しましたが2つのタイプがあります。
1つはアテローム梗塞、これは高脂血症をコントロールせずに、悪玉コレステロールを高いままにするとトンネルが詰まるように梗塞を起こすタイプ。
もう1つはラクナー梗塞、これは血圧をコントロールせずに放って置くと、血管が竹輪やガス管のように中に厚く増殖し、血管内腔が狭くなる状態です。
なぜ増殖するかというと、血管が破裂しないように自己防御しているわけです。初夏には多く見られるので気をつけてください。
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2011.04.24
米国で禁煙補助剤のチャンピックス(米国名はチャンビックス)の副作用が問題になり始めています。
自殺企図、攻撃性の増大、不安、焦燥、興奮、悪夢を見るといった副作用です。統合失調症と同じ部分、つまりドーパミンの調整を行いますから、この副作用が出ても不思議はありません。
 米国ではこの副作用を患者が承認してから医師は投与することになっていますが、日本ではこの副作用を前もって言っている医者はあまりありません。
理由は簡単でこの禁煙療法を始めるには呼気中の一酸化炭素濃度の測定装置を購入しなければ届け出が受理されないからです。15〜6万円の投資をしないと禁煙療法は始められないというのが日本の現状です。
従って前もってこのような副作用を提示すれば禁煙療法を開始する人などは皆無になってしまうから、厳しい副作用の説明は省かれます。
提言としてはこれから禁煙療法を始める人は、この副作用を家族に認識しておいてもらう必要があります。家族も十分観察し、やばいと思ったら中止を促すことが必要です。副作用は全ての人に出るものではありませんが念には念を入れておくことは重要なことです。

 今日は不思議な経済学を最後に一言
真面目に国民年金を収めた場合、35年全期間収めても年間70万円、30年なら年間60万円しかもらえません。65歳前に亡くなれば5000円の葬儀お見舞金のみです。この金額ですとホームでは8〜9ヶ月しか暮らせません。歯科などの自費医療はもっての外です。介護型の老人病院ですと3〜4ヶ月しかもちません。
資産も無く、全く年金を納めなかった人でも生保を獲得して入所すると国と市の扶助費が使いきれずに年間30万位貯金ができます。歯科などの自費医療も余裕です。
みなさん年金を納めずに生保を目指しましょう、というのは悪い冗談ですが現実です。
今の日本ではキリギリスは蟻よりもいい暮らしができます。
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2011.04.19
 4月の珍事というのかインフルエンザの患者さんが急に増えました。A型に加え、B型の患者さんが増えてきています。
4月になるとインフルエンザのキットが不要になるのですが今回は問屋に発注しました。ノロウィルスでも高熱と吐き気があり、一見どちらか迷う様な症例には積極的に検査をしていくほかはありません。 それでも土曜日に陰性で休日診療所に行って陽性だったというような報告を馴染みの患者さんから受けました。 土曜日は夕方6時半まで診察し、日曜日も9時に患者さんを毎週診ていますが、カバーしきれない面もありますのでお許しください。
今回の特徴はB型が多いことです。こんな時期にと思っていると危険です。
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2011.04.18
石原慎太郎知事が自販機とパチンコに噛み付きましたが、確かによくこういうことに気づくなあと思いました。50m車を動かせば自販機があります。こんな数いらないとつくづく思います。
 パチンコの規制も夏は必要になると思います。午後5時始まり深夜2時閉店だと僕はうれしいのですが。

 統合失調症という病気があります。昔は精神分裂病といわれていました。20台の後半に、それまではくそ真面目で、ちょっと人付き合いが苦手なタイプの人間が一変します。
考えがまとまらなくなり、人とのコミュニケートが上手くいかなくなります。当然、他人はその変化に気付きますので、友人もいなくなり、話す人もいなくなります。多くは会社で浮いた存在になり、やがてトラブルを繰り返して失職します。失職する前に他人に誹謗中傷を受けたと被害妄想を訴えます。又再就職してもこれを繰り返すので、季節労働か派遣労働しか収入の糧がなくなります。
男性の場合は婚期を失い、派遣労働を繰り返しつつ、唯一親だけ話せる相手となります。 経済的に切羽詰ると親の資産だけが頼りとなり、父親の死亡時にも顔を出さなくなるといった悲惨な例も見られます。
問題は本人が病気を自覚すれば、この病気がドーパミンの分泌傷害と、グルタミン酸受容体であるNMDA受容体の異常からの病気なので治療に進めますが、多くは自分は正常だと思っているので病院にすら通っていない人も数多くいます。
かといって親も自分の息子や娘が異常と思いたくはありませんから、進んで精神科の門を親子で叩くように至らないことが、さらに患者さんを苦しめています。
 この病気の患者さんの多くは、ある日は正常のこともあるので、よくよく本人と話さないと、相談者は正常とみなすこともあります。
翌日になると患者さんは考えが全くまとまらなくなり、混乱、昏迷を繰り返し時には奇声を発したり、暴力的なったり、他人に怒鳴ったりしますがその後に孤独に苦しみます。
今はかなり治る病気なので治療が望まれます。
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2011.04.12
頑張れニッポンという言葉が巷に流れ、日本人には強い精神力がある、というような精神論が声高に叫ばれていますが、私はこれが一番いけないことだと思います。
なんということを貴様は言うのだと思っていられる方にはいい例があります。
昭和16年12月に真珠湾奇襲から大東亜戦争が始まり、あっという間にマレー半島を制した日本軍は南進し、ニューギニアに戦地を拡大しました。補給部隊はマレー半島より先の補給は厳しいと軍部首脳に上申しましたが聞き入れられませんでした。
17年3月ニューギニアのブナという基地の日本軍に「これ以上、輸送船での補給は難しい、かといって駆逐艦での補給にも限度がある。強い武士道精神で敵に打撃を加え、撤退することなく完遂して欲しい」という指令が下りました。
これが棄軍の1例目です。棄軍というのは軍事物資や、兵糧の補給を出来ないから、玉砕覚悟で頑張って欲しいという指示です。
いっぽう米軍は豊富な軍事物資や兵糧、傷病兵の看護に万全を尽くしてニューギニア戦線、さらにはガタルカナル戦線に挑んできました。
どちらが最終的に勝ったかは国民誰しも理解している史実です。
 人々を勇気付けるのは有り余る多量の物資輸送であり、精神ではないと思います。
 今回の震災でも米軍のフレンド作戦は桁違いの輸送船団、上陸用舟艇、桁違いの援助物資、宗教団体からの多額の寄付、いずれも素晴らしいものでした。
頑張れの言葉よりも、物資、人材がいかに人々を勇気付けるかがわかりました。いざというときに頼りになるのは米軍でした。

 さて、今日は顔面神経麻痺についてお話します。
顔面神経は第7神経で側頭骨の顔面神経管を通っています。これがウィルスや、腫瘍、または原因不明に損傷されると顔面神経麻痺になります。多くは涙が止まりにくい、眼が下方に下がってしまうと訴えます。
原因は7割がベル麻痺、2割強がラムゼイハント症候群といわれています。
ベル麻痺は単純ヘルペス1型の関与が支配的ですが、確定はまだされていません。ラムゼイハント症候群は明確に水痘帯状疱疹ヘルペスが関与しています。多くは耳介に水泡を伴うことが多く、診断は容易です。
従って治療はベル麻痺ではステロイドの大量投与(リンデロンのパルス療法後、漸減投与)が主流ですが、米国などでは単純ヘルペス1型の治療を優先すべきとのことで、ラムゼイハント症候群同様、アシクロビル(商品名ゾビラックス)の点滴をすべきとの意見も根強くあります。
 馬場医院ではアシクロビルの点滴を優先しています。明らかに投与症例で改善が見られるからです。ただ耳下腺腫瘍などによる損傷ではいかんともしがたいのが現状です。
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2011.04.09
 先日、以前いた診療所からの付き合いのある患者さんから、俺のかみさん乳癌で手術が必要みたいだ、との連絡がありました。
手術が決まっていますか?と聞くと100%癌だから、勧められるままに手術を承諾したいが、その前に勧められた施設で手術をしていいものなのかを今日は聞きたいとのこと。
手術にはその診断した施設のマンモグラフィーを貸してくれるとのことでした。バイオプシー(一片の組織を試し取りして組織を見る検査)の病理所見もないままマンモグラフィーの所見のみで手術が準備されているのは、納得がいかないというよりも怪しいと感じたので、埼玉医大付属病院の日高セクションの乳癌専門外来に紹介しました。
バイオプシー等を含む精査の結果は単なる乳腺症と判明。経過観察との報告を受けました。手術に関してはやっぱりワンクッションおいて正解でした。
 前にも言いましたが、画像は設備だけでは駄目です。いくら斜め切りCTを導入しても、いいマンモグラフィーがあっても読める医者がいなければうどの大木です。

 春祭りの季節になりましたが、各自治会から相次いで中止の案内状が来ました。1箇所のみ規模を縮小して開催しますという案内をもらいましたが、今年は申し訳ありませんが協賛を遠慮させていただきました。
部落の神社の維持という、部分開催に至った趣旨や意図は十分了解していますが、被災地では、まだご遺体も全て発見されず、遺体があっても放射線の影響で面会もできない現実のなか、中止の英断を下している自治会と差がないように配慮しました。
 来年度は必ずまた協賛いたしますので是非案内をお願いいたします。
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2011.04.06
 先日ステロイドのみではどうしていけないのかという質問を受けたので、お答えします。
 それにはまずステロイドの薬理学的基礎を述べる必要があります。
ステロイドを投与するとその作用はグルココルチコイド受容体(GR)に結合して発揮されます。このうち主として作用するのはGRαです。ステロイドの主な作用は抗炎症作用です。
作用機所の1つは細胞質型phospholipase A2(PLA2)の活性化抑制です。細胞質型PLA2は細胞内Ca濃度の上昇と、MAPキナーゼによるリン酸化により活性化されます。
ステロイドはこのリン酸化抑制作用によりPLA2の活性化を抑制します。核内に入ったGRαはHDAC AP-1 NF-κBなどの様々な転写因子を介して、COX-2(Cyclo oxygenase 2)や、誘導型のNOS、ケモカイン、サイトカインの産生を抑制し、抗炎症作用をします。
 基礎的薬理学は余りにも専門的過ぎるので喘息を例にして説明します。
ステロイドの吸入剤を吸入すると、気道内で上述したように抗炎症作用が起こります。気道内でおきるために喀痰の分泌が抑制され、楽になります。またステロイドはメプチン、ホクナリンテープなどのβ-2刺激剤のレセプターを増やす作用があります。
従って、まずステロイドの吸入をしてからβ-2刺激剤の吸入をしたほうがより効果的ですし、β-2刺激剤の吸入はGRの核内移行を促進させて、ステロイド薬の作用を増強する役目を果たしますから、相互に有用ということになります。
 ここからはどうしてステロイド単独ではいけないかということを話します。喘息の発作にせよ、花粉によるアレルギー性肺臓炎にせよ、まず元となっているものを叩かないと治りません。
 喘息では、ウィルス性の気管支炎や細菌性の気管支炎が発作を悪化させています。
従って、細菌を殺す抗生剤の点滴などが有効ですし、花粉喘息では徹底した花粉症の治療が極めて有効です。その上でのステロイドは有効というよりも相乗効果があります。転写因子のHDAC2の活性低下によりステロイドが効きにくくなっているような肺気腫の症例でも、テオフィリン系薬剤がHDACの活性を高める効果も確認されています。
従って、このような薬理学的見地に基づく併用療法は極めて効果があります。
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2011.04.02
 3月は11日の震災から当然のことながら医療機関も患者数の減少に見舞われました。これにガソリン不足や停電が加わりましたので、毎日少ないなあと思いましたし、患者さんに今日は暇ですねと毎日言われました。 実際、青梅の患者数は予想通り100名以上の減少でした。従って2000-100=1900名と予想していました。
 ところが、ネットによる埼玉県の患者数が著しく増加したため、結果的に2055名という驚異的な数に達しました。全てが社保本人の花粉喘息の患者さんで、 入間市と飯能市の医院を渡り歩いた末にネットを見て来ていただいた患者さんです。つくづくネットの力の大きさに驚きました。

 3月末からやっと停電も無くなり、夏季も使用制限(事業所、企業、オフィス毎に昨年実績から、今年はいくらまでしか使用できませんという総量を義務付ける)と、 産業界自らが25%の電気の使用を減らす努力によって夏の電力不足を計画停電無しに乗り切ろうという方針が示されました。
このまま計画停電を続ければ、不安による自宅への引きこもりや、娯楽や消費の抑制、祭りや旅行、行楽の自粛から景気はさらに冷え込み来年度の税収に響きかねないという危惧をやっと政府のほうが抱いたのかもしれません。
政府やマスコミが節電、節電と広報しているのに、日の出、青梅のイレブンで節電とマジックで入り口に堂々と掲示しながら、全部の蛍光灯やスポットライトをあらん限り点灯させているのを見ると滑稽で笑ってしまいます。
馬場医院も笑われないように節電はもとより、先行投資によってかなりの電力抑制に努めようと思っています。LEDの蛍光灯などもこういう機会がで無ければ導入を考えませんでした。
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2011.03.26
 最近の記載はボヤキが多いねって言われるので今日は糖尿病の話をします。
昨年の10月ごろに叔母が糖尿病の薬を飲んでいるがどんどん悪くなるので、何とかして欲しいと親戚の方が70歳の女性と一緒に来ました。
介護型病院の診療所で夫のリハのついでに薬をもらっているということでした。悪化している理由は一言で言えば全く理解の無いというか知識の無い処方を続けているからです。
 糖尿病の薬には大まかに分けて3つのタイプがあります。一つは膵臓に鞭をうってインスリンを無理に出させるタイプ。もう一つは糖の吸収を阻害したり、ゆっくり吸収するようにしたり、吸収した糖をGLUT−4という運び屋に筋肉に運ばせて消費を促すようにしたりするタイプ、後一つは体にあるホルモンを使って糖を処理できるようにそのホルモンの失活を遅らせるタイプがあります。
 1つ目の鞭をたたくような薬をスルホンウレア(SU)系薬剤と呼びます。この系統をどんどん強くしていけば膵臓は疲弊しインスリン療法に近づきます。従っていかにSU系統の薬を弱くしつつ多剤をうまく組み合わせるかが勝負です。
10月に来たこの患者さんは薬歴を見るとSU系統の弱い薬で始まって、来院時はオイグルコンという最強のSU剤を処方されていました。たまたま親戚の方がこれに気付き、僕のところで再構築を依頼されたわけです。
2種類の薬を組み合わせてオイグルコンをまず、1段階下のグリミクロンに落とし、さらに運動療法と、GLUT−4という運び屋に筋肉に運ばせて消費を促すようにしたりするタイプの薬を効果的に使用して、グリミクロンをさらに弱いグルファーストに落とし、さらに新薬のグラクティブを使用して最終的にはSU系統の薬は完全に除去に成功しました。
 SU剤は一言で言うと百姓を鉱山の採掘で働かせ、少しでも動きが悪いと鞭を叩く悪代官の手先と同じです。従って大魔神が必要です。この大魔神こそ各種の薬の組み合わせになるのです。
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2011.03.24
 武蔵野市の日赤周辺、つまり武蔵境周辺が計画停電区域から外されました、というのを武蔵境の友人から聞きました。
管直人の秘書の松本清治という市議が東電に圧力をかけたからだよというので、とんでもないなあと思っていました。
でもそんなことがあるわけが無いと思っていたら、この馬鹿な市議が付近の住民に僕の圧力で実現しましたというビラを配って回ったというから聞いてあきれるばかりです。
自分で裏工作を暴露(本人は実績を支持者に自慢したかった)するのですからひどいものです。
 この事実はgooで検索しても載っています。ネットでも炎上しています。管の秘書が圧力をかければ簡単に外れるとしたらひどい話です。
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2011.03.23
 今日は1日停電が無く、穏やかにすごせました。ガソリンも古里の原島石油さんで満タンになり車(トヨタBB)も満足しています。燃費が12.5km/Lも走ったのでビックリです(普段は10km/LL位しか走りませんというよりもそういう荒い運転をしていました)。
 灯りが見てつくづく電力はありがたいです。心が和みます。灯りが無いと心も暗くなります。

 今日はどこで噂になっているのか知りませんが、子供の花粉症の患者さんが数多く来ました。長渕、千ヶ瀬の患者さんばかりです。この付近の方が僕のところを紹介してくれているみたいです。花粉喘息の方も数多く来ました。

 夏場にかけてさらに電力状況は悪化の一途をたどります。馬場医院も対策を考え中です。
経済も失速し、非労働者が増えると経済学者は言っていました。ただでさえ青梅市の財政の12%が扶助費(生活保護等にかかる経費)にかかっています。さらに増えていくような気配に思えます。
 気分だけでも頑張りましょう。もっともっと辛い人々が立ち上がって前に進もうとしているのですから。
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2011.03.22
 お知らせがあります。
今日の日のように夕方の停電決まっているのに、昼休みに午後の順番を取りに来る人がいます。待たないで済むということかもしれませんが今後、対応はしません。
 薬局にも多大な負担をかけます。もしも薬が無い緊急の場合は3日分とかつなぎで出します。当初は頑張ろうと思っていましたが、やはり無理ですね。
子供の薬剤に至っては全くもって無理です。分包機が動かないので子供のドライシロップ等が全く作れません。暗くて顔色とかを見落としがちです。暖房も効かないので寒い、暗い、最悪です。
 ただ医療という性格上スタンバイして一人で残っていましたら5時以降1人来ました。寒がりではないのですが(いつもワイシャツの下は半袖も下着のみ、ズボンの下はパンツのみ(親父ズボン下ははいたことがありません)、ややい寒いなと思っていたら6時20分明かりがつきました。
 気晴らしにまた福生へエアロに行ってきました。今日のコリオ(エアロビクスの振り付けのこと)はすぐに理解できたので自分なりにはややつまらなかったです。
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2011.03.21
 最近はインフルエンザのようなノロ風邪が又流行ってきました。38度くらいの熱を出します。食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢の順で症状が出ています。
何人かがB型のインフルエンザが出ましたが流行の傾向はありません。
 花粉症はかなりのピークで患者数はかなりの数になっています。

 計画停電長く続きそうで困っています。前にも話したように都内は使いたい放題使っています。いくら減光ナイターとはいえ、多摩地区が停電の間に東京ドームで野球なんぞやっていられたら頭にくるのは僕だけでしょうか。
むしろ埼玉アリーナのように避難者に貸し出せばいいと思います。
 明日の月曜日は15時20分頃から停電ですので午後の1時間16時から17時までのみ発電機を使用して対応します。それ以降は休診にします。
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2011.03.18
 多分皆様の不満が極値に達していると思います。停電は下町の23区と多摩地区や埼玉、神奈川だけで、都区内はなんら変わらない毎日です。
パチンコ屋、ゲームセンター、カラオケ、私の好きなスポーツクラブも堂々と全く関係なく営業を終日まで行っておりますと記載してあります。パチンコ屋さんも朝の10時から夜の11時まで週日営業しています。ゲームセンターに至っては24時間営業しています。なのに誰も東電に文句も言わず、本当におとなしい、いい国民だと思います。
 ガソリンもやっと1週間経った木曜日に海江田大臣が動きました。こういう政権も我々が選んだのだからしょうがないのかもしれませんが。
明日以降停電時の営業はかなりきついとは思われますが若干短縮しつつ頑張ります。
 朗報は困ったときにあちこちの人が助けてくれることです。本当にありがたいです。
スタンドもどこが頼りになるかも良く分かりました。もう一つの収穫は発電機をヤフーオークションで競り落とせたことです。
エイシーという広告の無い時代に速く戻りたいです。
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2011.03.15
【緊急のお知らせ】
当院では停電時も平常と同じように診察はいたしますが、停電時は心電図、レントゲン等の検査は不可能です。また会計もコンピューターが使用不可のため、手計算にて行います。また処方箋も手書きで行います。
そのため若干待ち時間が多くなる傾向をご容赦賜りたくお願い申し上げます。
またガソリン不足のため遠方の患者さんの送迎は、まとめて送らせていただくこともご了解賜りたく、併せてお願いする次第であります。
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2011.03.12
ムコダイン ムコソルバン エンピナースという喀痰溶解剤の3重奏に、決まり文句のマクロライド系抗生剤のクラリスかクラリシッド。
テオドール、ムコダイン、ホクナリンテープという、きつい喘息の薬の3重奏に又、又、決まり文句のマクロライド系抗生剤のクラリシッド。
こんな処方で効くわけがない、というような前医の薬を持った患者さんが1日に10人を越えるようになりました。
全て花粉喘息の患者さんです。最初のような薬の出し方は、以前別の先生の話題に記述した処方と同じで、同系薬剤の重ね処方です。臨床的には殆んど意味が無く、費用の無駄です。
 喀痰溶解剤を仮に7種類、ムコダイン、ムコソルバン、クリアナール、エンピナース、ノイチーム、アクディーム、ダーゼンと重ねて処方しても咳は止まりません。
 2つ目のような症例は効くときには効きますがテオドールの量的処方をうまくこなさないと一気に悪心嘔吐の副作用が現れます。特に喘息の素因があっても、症状の既往がないとテオドールの錠剤レベルでは決まって副作用が出ます。
花粉喘息は一種のアレルギー性肺臓炎です 従って全く上記のような処方は効きません。この病気は呼吸器科、アレルギー科の範疇ですが、一般の内科に行くとマイコプラズマ肺炎を想定した処方にみんななってしまいます。
従って、漫才師の落ちのギャグみたいにマクロライド系の抗生剤(マイコプラズマの特効薬)が処方されるのだと思います。

地震から2日経ちました。皆さんはお変わりありませんか?群集心理か、ガソリン、牛乳、パンみんな市場から姿を消しています。
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2011.03.09
 最近インターネットがきっかけの新患が増えました。
ネットを見てきましたという患者さんがなんとなく多いのかなとは思っていました。住所が長渕、新町、小曽木、羽村とか元々は当院からは余りにも遠いところの患者さんが急に増えているからです。ネットを見てきてくれているので話も早く、酸性系のリザベン点眼を塩基性系の点眼薬に変えてください、というような具体的要求もあります。

 今日は患者さんで主訴は頭痛の方が来院しました。他院(婦人科)薬を見ると百貨店処方でした。
婦人科の更年期用の漢方、鎮痛剤、胃薬、鎮痛剤でなんとなく効くが夕方になると治らないという訴えでした。
この手の処方で、いつも思うことは誤診を恐れないということだと思います。自分で、この疾患はこれだろうと見立てる勇気が肝心だと思います。もちろん自信が70%の時は、外れるかもしれない可能性も残して短期間に再診してもらうことだと思います。
もしも更年期と思うのなら漢方に、エストロゲン製剤を処方すればいいのだし、筋緊張性の頭痛と思うのなら筋弛緩剤と消炎鎮痛剤を処方すればいいと思います。
 私は筋緊張性頭痛と診断しました。筋緊張性の頭痛は頭痛の85%を占めます。朝よりも夕方に痛い、時には朝から痛く夕方にはもっとひどいとの訴えもあります。めがねをかけている人に多い傾向もあります。眼精疲労を伴うような仕事の人にも多い傾向があります。お風呂に入ると楽になる傾向が顕著です。
 女性の場合は夫が遠距離通勤をしている家庭に多発しています。特徴は疲れが取れないまま起床し一日を過ごし、また短時間睡眠で翌朝を迎えるというようなパターンに体が悲鳴を上げているのです。肩にはγニューロンという神経があり、僧坊筋や広背筋が疲れると緊張状態を伝えるものが脳に達し頭痛をもたらします。
 まず筋緊張性頭痛と診断し、これをしっかり治そうとしないとわけが分からなくなること必死です。
診断が外れたらそこからまた次をしっかり考えていくことです。
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2011.03.07
 2月には予防接種のみ、検診のみを除き1905名の患者さんにお越しいただきました。余り忙しく感じませんでしたから分散してお越しいただいたように感じました。
 今月から花粉症の患者さんが急増しています。昨年自分では薬がいらなかったのですが、今年は十分重症です。
 最近ネットの漢方などでぴたりと治るというような記載がありますが、多くは多量のステロイドを混入させてあたかも漢方のみで治療しているかのような印象を与えているところがあるので注意してください。
ネットで漢方の取引をしているところは問診のみで処方をしてくれます。薬剤が宅急便で送られてきて後は振り込むだけです。簡便ですが、責任者などが転々としますので実際薬害にあわれても追及不可というようなケースが続出です。
かなり繁盛している漢方医でさえ花粉症は限度ですから無理ですといっています。
それなのに漢方でぴたりと治るとしたら化学成分に散剤で西洋医学の薬を混ぜるかステロイドを混ぜるかしないと効きません。よくあるケースがプレドニンやリンデロンの細粒を密かに混入させる手口です。
 気をつけてください。子供さんにデカドロンエレキシルというステロイドシロップを頻回に使用している施設も見受けられますが、最初から使用するのは少し考えないと何でもかんでもステロイドという処方が跋扈してしまいます。
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2011.03.01
 最近、患者さんが医師以外にも意見を聞くことがよくあり、その度にこちらからも又説明を余儀なくされる例を紹介します。
 認知症に効く薬を下さいと言われたので、私は正直にありませんと答えました。
すると民生委員とかケアマネとかが仕切り始め、新町クリニックに名医がいるとか、総合病院の精神科ではいい薬が出るとかといった情報を流し、転院を進め始めます。
 しかしながらどこに行こうが出る薬はアリセプトというエーザイの薬です。薬剤には口腔内崩壊タイプと錠剤がありますが、いずれにせよアリセプトが処方されます。たまにこれでは全然効かないと訴えると、抑肝散という漢方などを処方されたりします。
これで効くかというと全く効きません。何故でしょうか。それは日本の認知症に対する薬の認可度が遅れているからです。
 まず認知症で皆さんのお気づきと思いますが兄弟、姉妹の発症が多いという傾向があります。これは仮説としてAPO-Eの対立遺伝子(アレル)のε4という遺伝子APO-Eε4の頻度が家族性のアルツハイマー病に多いことが指摘されています。
アルツハイマーは脳の細胞にタウ蛋白や、アミロイドβという蛋白が異常に増加し、これが脳細胞の破壊を促進しているという事象に加え、脳細胞自体が神経細胞死があることが言われています。アリセプトは記憶に関わるアセチルコリンの分解酵素阻害剤です。シナプスからシナプスへの伝導の状態を保つということです。工場(脳細胞)が破壊されているのに最新鋭のトラック(神経伝達物質改善剤のアリセプト)を配備しても意味が無いことを分かっていただけたでしょうか。
 一方、脳梗塞や酸素が欠乏した状態になると脳内にはグルタミン酸が放出されます。すると脳内の神経細胞が異常に興奮し死滅してしまいます。
 今度三共から正式には三共の子会社から出るメマンチンはN-メチルーD−アスパラギン酸(NMDA)受容体に働きかけて過剰グルタミン酸による神経細胞毒性を防ぐ薬です。グルタミン酸は過剰な状態になるとシナプスの可塑性(LTP)が失効するため神経細胞が死滅すること、また情報伝達自体がうまくいかなくなることが分かっています。
 既に欧米ではナメンダという名前で発売されており、主としてアセチルコリン分解酵素阻害剤のガランタミンと一緒に使用されており、2者併用でないと効かないと言われています。このメマンチンとアリセプト、またはメマンチンとガランタミンと組み合わせは欧米では定番の組み合わせになっており、中等度以上の認知症に用いられています。
 これが3月に発売されます。従ってこれからは私も今後はありますと答えようと思っています。
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2011.02.28
花粉症の最終編
減感作療法の注射はショック等があり、外来には適しません。決して試みないようにお願いします。医師が全て1分間で挿管(呼吸の管を喉に入れる技術)はできるとは限りません。
ちなみに僕は野戦育ちなので、挿管、内頚動脈穿刺は大好きですし、気管切開もこなしますが、一般の内科医は挿管や首からの血管確保(内頚動脈穿刺)は苦手というよりも、やったことがないというような先生も数多くいます。ショックになったら1分間以内にその技術をこなさなければ死亡します(ちなみに1分間というのは息をこらえられる時間です)。
 最近はこの注射に変わって舌下に杉のエキスをたらす方法が治験で行われていますから、もう少し皆さんは待っていて下さい。
 強力持続ステロイドの筋肉注射療法も最近は免疫能を落とすと感染症には著しく弱くなるとの観点から、厚生省の指示で廃止になってしまいました。
20年位前まではこれを梅郷診療所の蓮見先生がなさられていたので花粉症の時期は交通整理が出ていたころがありました。
 最後に一言私も花粉症の患者です。咽喉頭炎、花粉喘息による空咳、鼻汁全てあります。25日金曜日の暖かさで一気に症状が出てきました。
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2011.02.23
 花粉症の治療編
まず鼻炎や鼻閉対策です。
基本は抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤です。他にも先ほどお話したメディエーターであるTH2を阻害するTH2活性阻害剤にIPDというお薬がありますがこれは効きがよくありません。
抗アレルギー剤は化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出されるのを防ぎ、抗ヒスタミン剤はヒスタミンの遊離による諸症状を緩和するための薬です。
 この2つが主要な薬剤です。抗アレルギー剤には塩基性系と酸性系があり前者は花粉症に、後者は喘息に効果がありますから、花粉症では塩基性系の抗アレルギー剤が主たる選択肢になります。 代表的なものはセルテクト、アレロック、アレグラ、ジルテック、アレジオン、ダレン、タリオン、エバステルがあります。但しアレグラに関しては以前不整脈の副作用で発売中止になったトリルダンの改良薬なので、私は処方を避けています。
酸性系の抗アレルギー剤やTH2抑制剤(リザベン、インタール、ソルファ、IPD、ロメット、アレギサール等)を使用する先生も中にはいますが、効果は余りありません。ポララミン、セレスタミン、ニポラジン、ゼスランなどの抗ヒスタミン剤は良く効きますが、最後の波打ち際で防いでいる状態ですから、できうれば抗アレルギー剤との併用を薦めます。抗ヒスタミン剤はヒスタミンがH1という受容体に結合するのを防ぐ遮断剤です。
脳にもヒスタミン受容体があるため眠くなります。抗ヒスタミン剤は価格も安く即効性がありますが、単独使用ですとやはり限度がありますので塩基性系の抗アレルギー剤との併用がベストです。
 鼻閉には抗ロイコトルエン剤とよく宣伝はされていますが感触としてはもう一つです。ステロイド吸入剤がベストチョイスと思います。
 眼の痒さにはやはり塩基性系の抗アレルギー剤の点眼薬(パタノール、ザジテン、リボスチンなど)がベストです。前述したようにインタールやIPD、ソルファなどの点眼薬は余り効きません。
やたらとステロイドの点眼薬を使用する医者がいますが抗アレルギー剤の点眼で済むのならムリに使用する必要はありません。眼科医でも付近の5施設のうち、やたらと使用するのは1施設のみです。
ステロイド点眼薬を見抜くこつはなんとかロンとかなんとかゾンというのはステロイドです。
代表的なものはフルメトロンです。懸濁液で眼の表面に長く留まるので効きがいいというのが使用する理由ですが、ステロイド使用により感染の頻度は増します。感染したら失明しますし、白内障、緑内障の誘発要因にもなります。多くの眼科医がアレルギー性の結膜炎では使用していないという現状を把握して置いてください。
 鼻閉に関してはステロイドの吸入でいいと思います。これはどこでも同じ処方になります鼻の場合、感染に対してもすぐに大過なく対応できるのでこれがベストチョイスです。
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2011.02.21
 先日お話したとんでもない治療を受けていた方はめでたく完治しました。
やはりアレルギー性の咳喘息でした。これにはアレルギー優位型のものと喘息の症状が優位のものがあります。ネットに記載しているためかこの疾患の入間市の患者さんが多くなってきました。

 今日からはアレルギー性鼻炎、結膜炎の疫学、症状、治療について順番に書いていきます。
 まずは疫学 今原因となっているのはスギ花粉です。スギ花粉はいつにもありますので体はIG-E抗体に出動命令を指示しています。ここに花粉が到達すると花粉内の蛋白を単球(マクロファージ)が貪食し、この蛋白は本人由来のものではなく異物と認識しTH2という胸腺由来のヘルパー細胞を通してB細胞に伝達されます。
ここでB細胞は抗体とりわけIG-E抗体を作ります(TH-2というのもここで覚えて置いてください。これをターゲットにした薬がありますから)。
IG-Eは主として肥満細胞(マスト細胞)と結合して待っています。ここに花粉が侵入するとIG-Eは花粉と結合し様々な化学伝達物質を放出します。
 この化学伝達物質の主要なものがヒスタミンとロイコトルエンです。
 ロイコトルエンにはC2、D2,E2が喘息を誘発します。従って花粉喘息などでゼイゼイしますという訴えがあります。しかしながら根っからの喘息ではないためにこれを重症喘息と決め付けてしまうと、この前に書いた医者のように滅茶苦茶になってしまうわけです。
アレルギー主体のゼイゼイか喘息を引き起こしてのゼイゼイかは見分けなければいけません。このヒスタミンは痒みや、くしゃみ、鼻汁を、もたらし、ロイコトルエンは鼻閉をもたらします。
 ここから先の治療編は後日書きます
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2011.02.16
 明日の午後、親知らずを抜歯します。正直言って怖いです。これがもとで虫歯ができたからです。
 歯医者にはなんと30年もの間行ったことがないほど無縁でした。
親からの遺産で一番感謝しているものは歯と髪です。白髪もできにくい体質なので同窓会に行くと同級生がみんな大先輩に見えます。
 歯の治療は痛く、手術がいかに恐怖かということがよくよく分かりました。自分が術者だと、例えば陥入爪(通称巻き爪)などでは一刻も早く切り取ってしまうことこそ患者さんのためと思っていましたが、1日、2日位は消毒してやっぱりだめですね、と、納得させて心の準備を促すのも親切心と分かりました。
こういう治療は遷延主義の治療で、やるべきではないと思っていましたが、心の準備には最適です。患者さんの心は患者にならないと分からないものですね。
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2011.02.11
 つい最近来院した36歳の女性の症例。
乾性の咳である医療施設を受診。ご丁寧に3種類の去痰剤(通常は1種類で十分)とマクロライドのクラリスを処方される。多分医師はマイコプラズマか気管支炎を想定していると思われます。
 全く効かないので再受診。今度は蓄膿症に効く漢方の104番辛夷清肺湯を前回の処方に追加。
 当然効かないのでもう一度受診。今度は喘息薬のホクナリンテープ2mgとロイコトルエン拮抗剤のキプレスをさらに前回、前々回の薬にさらに追加。この処方のホクナリンテープの副作用で手が震え、動悸がしたため、再受診。
 今度はこれに狭心症と降圧剤の分類にあたるβ遮断剤のテノーミン25mgを前の薬を切ることなく、さらに追加処方されるに至って、咳症状が著しく悪化したため、やっと見切りをつけて私どものところに来院されました。
 はっきり言ってホクナリンテープにテノーミンを出すのはアクセルを踏んだまま、ブレーキをかけているのと同じで、よく生きていたと思うような狂気の沙汰以外の何者でもありません。
ホクナリンはアドレナリン受容体βの1と2を刺激する薬です。2に効けば気管支が拡張しますが1にも作用するので人によっては動悸や手の震えが起こります。
一方テノーミンはβ受容体への結合をブロックする(遮断する)薬ですからゼイゼイしている患者に処方するのは内科では禁忌の処方です。ですから一方でβ受容体を刺激しつつ一方でブロックするのは狂気の沙汰以外の何者でもありません。
 察しのいい方なら気づかれることと思いますが、このような処方をアドオンの処方といいます。根本の診断が医師は解らないので現に患者さんが最も訴えている目先の症状を潰そうと悪戦苦闘しているうちに、自分の出した薬の副作用にまでもが患者の新たに訴える症状に思えて、それを打ち消す処方をしているうちに滅茶苦茶な処方になってしまったという症例です。
 まず初診時に咳を訴えてきているわけですから、咳をもたらす今の時期にあった疾患を考えます。そうすれば、マイコでなかったな、間違えちゃったと思って、クラリスを切り、ホクナリンを処方するのも一方です。
ただ、初診患者さんには1mgの控えめな量からが望ましいと思います。この前に処方の漢方の104番は要りません。
 次に喘息を想定していますが、ここでしっかりと反省し振り出しに戻って考えます。気管支炎なら緑黄色の喀痰が出ますし、喘息なら小児喘息の既往や花粉症の罹患歴、アトピーや乾燥肌の有無をチェックします。
症状の初発が1月中旬というのもいいヒントでよくよく聞けば、昨年はこのような症状は余りなかったけど、一昨年はありましたかという質問もいい助けになります。そうならアレルギー性の咳であるというヒントになるからです。昨年は花粉が少なかったので、一昨年も同じような症状がありましたというのはいいヒントです。また患者さんが、一向に効かないと言っている以上、夜に文献を検索しまくるのも一方です。
 私はこの患者さんはアレルギー性の乾性の咳を想定して処方しました。
内科医の中にはしっかりと基礎を学んでいない先生も数多くいます。日本のシステムでは麻酔科や病理医や産婦人科で基礎を学んだ後に転向しても、内科医と標榜できるのでこんな先生が出てきてしまうのだろうと思います。
皆さんへの注意点 アドオン処方(前の薬を削らずに次々と薬を追加する処方)にはご注意を。
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2011.02.04
 5年も雇われ院長をした後に開業して13年経ちますが、つくづく高齢者の雇用が一番難しいと感じます。
雇用時はいい高齢者がしばらくすると地を出し始めるからです。殆どが自分の経験論から我を張って、全くこちらの意見を聞いてくれなくなるパターンです。
 主として運転手の場合ですが、1BOXカーなどでは死角が多く、かついつも行ったことのない土地でU-TURNして帰ってくるので、事故をしないようにと、こちらも懇切丁寧に指示を出します。バックするときは後方硝子の下側に死角があるから、窓から首を出すか、ドアを少し開けて首を出して後方確認、それでもよく見切れない時は降りて後方の障害物の確認をして下さいといった指示です。
当たり前のような指示ですが、俺は40年事故していないとか、バックミラーでも十分確認できるというような持論を最後まで展開し、指示を無視して挙句の果ては後方硝子の全損、バンパーの破損といった結果です。若い人のように柔軟な対応ができないのでとても苦労します。

 2月になり風邪のような咳が続く患者さんが多くみえます。前が小児科であったり、内科であったりと様々ですが、軽い咳止め(アスベリン、アストミン、メジコン)あたりで凌いでいるような処方が殆んどです。当然効きません。根本に花粉症による肺のアレルギー反応を抑制する薬が出ていないからです。
熱が出ない、痰が絡まない、絡んでも少量、痰が白い、寝るとひどくなる、医者からもらった薬が全然効かないこれらは殆んど花粉症がベースのアレルギー性肺臓炎による乾性咳です。
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2011.02.03
 1月は1907名の患者さんにお越しいただきました。
途中やや失速して後半はインフルエンザの患者さんが主体でした。

 今日はノロかインフルか風邪かというテーマで話をしてみます。
 まずノロについて
ノロウィルスはどこにでもいるウィルスです。患者さんが下痢するとノロウィルスは多摩川に流れ、六郷川から東京湾に入り、海産物に吸収されます。それを摂取して人はまた感染します。発症するかしないかは個々の免疫力の強さと、摂取したウィルスの量に支配されます。
ノロが胃に入ると、嘔気を覚え、次第に発熱します。この段階で医院に受診する方が殆どですが、胃を通過しひどい下痢になって受診する方も多いのが現状です。
発熱した場合、かなり熱が出てインフルと勘違いされる例も良くあります。熱の出方が成人ですとノロのほうが出ることがあるからです。ですから高熱イコールインフルと決め付けないことです。
 一方、インフルエンザの場合は、医師側から見ると顔で判断つくこともあります。独特の風貌で来られることが多いので数をこなしているような医院では判断がつきます。発熱や関節痛がヒントですが、疑った場合、家族内感染、施設内感染がある場合は積極的に簡易キットで調べることも肝要です。インフルエンザでも嘔気があったりしますのでノロと決め付けないことも要求されます。
 インフルエンザの場合は通常は抗生剤を出さないことが多いので、その後の経過で痰が著しく黄緑化して喀痰排出に苦労する場合は抗生剤による除菌も必要です。喀痰が白か黄緑かは、重要なポイントです。
感染をかぶると黄緑色になります。特に喘息患者では風邪で感染性の喘息発作が出やすくなりますし、肺気腫がベースにあると容易に発熱します。
 このような際には点滴による抗生剤の投与も必要です。
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2011.01.27
 今日は3つの話をします。
 1つ目、疲労回復物質。
ケンタッキーとかに行くと、もも肉と胸肉をまぜて出されますがおいしいのはもも肉です。
ところがこのまずくてパサパサした胸肉に秘密があります。イミダペプチドという疲労回復物質です。イミダゾールペプチドとも呼びます。
主としてカルノシン、アンセリンというジペプチドがあります。ジというのは2つのという意味です。つまり2つのアミノ酸から構成されています。カルノシンはβーアラニンとヒスチジン、アンセリンはβーアラニンとlーメチルヒスチジンにより構成されています。鳥の胸肉にはこのイミダペプチドを豚肉や牛肉に比べ数倍含有しているため疲労蓄積が少なく,疲労回復も早いといわれています。これが渡り鳥が休みなく渡れる秘訣ではと推測されています。
実際、私がエアロのきついのをやってみると疲れで記憶が飛びそうになるのを、前もって食べておくと記憶が飛ばなくなることを自分自身経験しています。一度試してみてください。イミダペプチドのサプリはインチキもありますからひっかからないようにお願いします。
 2つめ、最近悪性リンパ腫にEBウィルスが絡んでいるというお話。
機序はヘルペスウィルスととてもよく似ています。一旦感染したEBウィルスが体内に潜み、免疫が落ちてくる頃になると増殖性疾患となり悪性リンパ腫になるということ。かなり研究が進められています。
 3つめ、これは宣伝みたいなものです。
28日の金曜日にトイレの手洗いの水の自動化と温水化同時に工事をします。手をかざすと水が出て、離すと止まる自動栓に電機温水器をセットします。
これにより暖かい温水でトイレで手が洗えます。30万を超える設備投資になりますが、冬に行った旅館がこれだったので矢も盾もたまらなく欲しくなり、購入しました。
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2011.01.21
 最近インフルエンザの患者さんで一杯です。これはどこの医療機関でも同じ状況です。
 インフルエンザか否かの一つの尺度は関節症状の有無がポイントです。熱が37度でもインフルエンザの可能性は十分あります。熱は体からインターフェロンが出て、インフルエンザウィルスと戦っている証拠です。
 小児では高熱が出やすく、成人では必ずしも必須の症状ではありません。
 インフルエンザの診断は簡易キットによる行われています。
しかしながら十分ウィルス量が少ないと陰性と誤診されてしまうことも多々あります。先生の誤診ではなくたまたまその時は陰性だったということです。従って、その後に症状が出揃ったらもう一度検査が必要なこともよくあることです。
ウィルス量が少ないと30分位してから陽性反応が見られることもありますので、馬場医院では陰性症例のものでも最低3時間は保管しています。

 今日は冬場の皮膚掻痒症についてのお話をします。
皮膚の表面は角質層がありその下しっかり肌のバリヤーをするセラミドがあります。
 しかしながら冬場は水分が不足がちになりこの角質層が荒れてきます。するとセラミドの層が外気にさらされここも傷害を受けます。多くはナイロンタオル、糸瓜などの用具、または、ぼりぼりと爪でかいたりしてこの角質層やセラミド層を破壊することにより、その下層にC−FIBERと呼ばれる神経線維が露呈し、これがかゆみの原因になります。
 ポイントは皮膚を乾燥させないように、ヒルドイド、ザーネ、プロペト、ケラチナミン、ワセリンなどの薬や保湿剤で湿気を保つことです。
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2011.01.17
 金曜日と土曜日で28人のインフルエンザ疑いの患者、そのうち19人がインフルエンザの患者、残り9人も日曜日には陽性反応が出ました。
というようなわけで、1月6日から連日午前中だけで100人を突破しています。
慢性の患者さんは午後のほうが空いていますのでご一考ください。
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2011.01.14
 インフルエンザの患者数が1日当たり5人を越え、完全に流行期に入っています。ワクチンを打っていない方はお早めに 家族に感染した方がいる家庭では十分に治療、予防に努めてください。

 今日は最近、よく質問される減感作療法についてもう一度書きます。
花粉のエキスを皮下に注射したり、舌下にたらしたりする方法です。いずれにせよまだ安全性が確立していません。花粉症ごときで命を奪われないようにくれぐれもご注意をお願いします。
 減感作療法の主流は今までは皮下に少しずつ、エキスを注射する方法が主力でした。しかしながら、どうやってもショックの患者が出ます。ショックが著しいと呼吸器につなぐほどの重症になります。
したがって開業医レベルで出来る療法ではありません。しかしながら他と違うことをやると患者さんは集まりますから、危険承知で試行しているところがありますが、危険ですから絶対にやらないで下さい。
 これに代わって最近脚光を浴びてきたのが舌下免疫療法です。私の大学の1級後輩、ヨット部にいて、遊びも勉学も両立していた方ですが、アレルギーの一人者奥田稔教授の門下生で今や日本を代表するアレルギーの一人者になった日本医大、大久保公裕教授の元で行われている療法です。
これは舌下に杉や檜のエキスをたらして徐々に免疫をつけようという方法です。以前の皮下注に比べショックが少ないのですが、この方法でも厚生省に許可していただくにはあと5年はかかるそうです。
 この他にもレーザーで下鼻甲介を焼却する方法等がありますが、一時的な効果しか得られません。
治療の主流は今もって薬剤ということになります。
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2011.01.10
 日曜日、祭日は午前9時のみ受け付けますとネットでうたってはいますが、そんなに多くの人が来るわけではありません。かかりつけの患者さんが来てくれればいい的な発想だからです。
 しかしながら年末からA香港型に変わり、新型インフルエンザが流行し始め、結構な数が来るようになりました。殆どが陽性例です。かなり流行していると思います。
ワクチンですが、あと60名弱ならありますので打ってない方は対応します。受験生などで2回目を打ちたい方は、1月中旬にもう一回打つのが効果的です。
医療施設によっては短期間2度打ちを薦めているところがありますが、連続的な2回打ち(短期間で2回打つ)は1回打ちと効果は余り変わりはありません。11月初旬ごろに打って、免疫効果がやや薄れてくる頃(1月中旬から2月初旬)に再度打たれるほうが効果的です。
私の担当しているホームではこの方式で効果を挙げています。

 話は変わりますが、最近伊達直人(タイガーマスクの主人公)を名乗る人が善意で児童施設にランドセルを届けているといういい話があります。私も今、児童施設の顧問医をしています。
私はランドセルではなくて暮れに数個のクリスマスケーキを届けましたが、職員から聞いたところ、児童施設の子供手当てですが、実際に子供を見ている施設には一切入らず、全く子供をみていない親御さんの口座に振り込まれるそうです。これでは酒、タバコ、パチ代に消えてしまうのではないかと思います。
実際に子供手当てをもらっている親からは、子供さんにという入金は一切ないそうです。
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2011.01.05
 今年は昨年の猛暑に伴い花粉症が大流行しそうです。
既に12月から鼻水が止まらない、乾いた咳が続くといった咳喘息の患者さんが急増しています。
咳喘息に対しては抗生剤や感冒薬は一向に効きません。とめどなく流れる鼻水も、咳喘息も花粉症の一環です。
早めの治療をお薦めします。
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2011.01.03
 あけましておめでとうございます。
年末に温泉で外国によく行っている商社の方とお話しする機会があり、2つの事実を知りました。
 1つはヒュンダイソナタのことです。近年、アジアのクアラルンプール、バンコク、シンガポールなどでは一見すると日本のトヨタカムリに似た韓国現代(ヒュンダイ)自動車のソナタという車種が完全に幅を利かせているそうです。
カムリに似ていて、エンブレムがホンダに似ている車は全てこのヒュンダイソナタだそうです。その位売れています。テレビもLGやサムスンが売れに売れ、日本は圧迫されています。
 2つ目は、にもかかわらず何故円が高いのかは外国人は日本の特殊な国家財政を見抜いているからだそうです。
 母さんがエステに4万、父さんはパチンコに4万、これは絶対に譲らない、足らなくなったら子供たちがバイトしなさいというような家計に似ているからだそうです。
エステとパチンコは特別会計で保障されています。
一般会計が足らない、足らないと政府が言っているだけで、外国から見ればこんな国は他には無く、滑稽そのものだそうです。一般化会計90兆では高福祉が出来ないと言いつつ、特別会計は160兆もある国が日本です。
増税論議が又出てくると思いますが海外と戦うにはさらに10%の法人税を下げないととても雇用にまでは回らないほど企業は逼迫しているということです。
雇用情勢がさらに悪化するとさらに福祉が膨らみ、財政が悪化するという悪循環になります。

 この年末からさらにインフルエンザが流行してきています。高熱中心で38度を超えているのが殆どです。簡易試験でこのくらいの症状でという人もかなり陽性になっています。
治療は先日お話したイナビルで翌日にはケロリと言うくらい治っています。
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2010.12.26
 インフルエンザが流行ったとか流行っていないという報道がありますが、至って単純な基準で決められます。それは任意に抽出した全国で5000診療所や医院に来た患者のうち、1日に何人のインフルエンザの患者が来たかというものが基準になります。
1診療所あたり1人を越えると流行の兆しという風に決められるそうです。
 馬場医院では24日から金曜日から25日の土曜日にかけて1日あたり5人を越えました。流行に入っていると思われます。
多くの学校や、保育園などでも学級閉鎖になっているそうです。気をつけてください。

 今年になってインフルエンザの新薬が2つ発売されました。1つは第一三共製薬から発売されたイナビル、1日1回の吸入で、それも1日のみの吸入で効果があります。
もう一つは塩野義製薬から発売されたペラミビルです。これは点滴静注のものです。これは医院レベルでは使用は難しいです。なぜかといえば馬場医院床面積は都会の医院の3倍位持っていますが、それでも点滴の間、重症患者さんがコンコン咳をして、蔓延させてしまうからです。
ホームのような介護施設でインフルエンザの患者さんのみの部屋を作ってここで点滴をする以外は使用法に問題があります。
 馬場医院ではイナビルを採用しましたが効果は抜群で極めてよいお薬です。翌日には確実に解熱しますし、なにより簡便です。

 さて、今年も間もなく終わりですが皆さんはいかがでしたでしょうか。
政権交代から1年、国民は失望の1年、とかテレビでは報道されています。民主党に最も期待した事業仕分けがたったの3000億、これ以外無駄と認定された2兆円にものぼるものは利権に絡む官僚や、これを擁護する民主党内に出来た族議員等の反対でことごとく潰されたそうです。
かつて行政改革大臣であった渡辺喜美みんなの党の総裁が自民党時代に味わったむなしさを枝野議員、蓮紡議員が味わっていると思います。
朝日新聞系のasahi.comでは次回に入れたい党のアンケートを取ったところ、1位は27%で自民党、2位は26%でみんなの党、民主党はたったの9%でした。
期待が大きかったので失望も大きかったと思います。
ましてや右翼的な立ち上がれ日本に管総理が連立打診というのでは益々終わっているような気がしてきました。
 来年こそは、子供手当ても結構ですが、高卒、大卒の若者が就職浪人をしないで済むようないい時代が来ることを望みます。
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2010.12.20
 睡眠時無呼吸症候群についてよく質問されますが、そういえばテレビでも最近やっていましたが特徴を言うとまず、デブの人です。首が短く肥満の人に集中しています。
睡眠中に無呼吸の後、急にガーと息をします。昼に急に睡魔に襲われ無意識に寝てしまうという特徴があります。大抵は忙しい人です。平均睡眠が4〜5時間、深夜に帰って朝に出勤というサラリーマンに多い疾患です。愛妻家が多いのも特徴です。
愛妻家は妻の作った食事を深夜に帰宅して、妻に感謝しながら食べます。すると肥満の元になるBMAL1という栄養蓄積物質が働きます。深夜に食べれば食べるほど肥満になります。ちなみに郷ひろみは午後7時以降には食べません。太ってくると亥首になり鼾をかきやすくなり睡眠が浅くなったりして熟睡が妨げられます。
 その結果として昼間に猛烈な睡魔が発生し、意識のなくなるような症状が出てきます。
 これが睡眠時無呼吸症候群の本質です。これらの人も毎日7時間以上睡眠しダイエットを心がければ改善します。
 ちなみに治療は戦闘機乗りのようなマスクを夜間装着し、無呼吸を感知すると換気を強制するように酸素が送り込まれます。これのほうが安眠の妨げです。この治療で長続きする人は稀です。よく休みよく寝る、機械も人間も停止して休息を与えることこそが肝心です。
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2010.12.13
 よく整形外科などでもらった薬で胃が痛くなったり、ひどい場合には貧血を起こしていたり、潰瘍になっていたりすることがあります。院外処方の場合は何を使っても医院の収入も、在庫の管理も関係ありませんが院内だと同じ薬にしようとする傾向が上述の理由で顕著になります。
一般的な消炎鎮痛剤はサイクロオキシゲナーゼ(以下COXと略記します)を阻害することにより、痛みや炎症を抑えて効果を発揮します。このCOXには1型と2型があります。鎮痛剤は痛みをとってくれる半面、胃を荒らしてしまう副作用を持っています。
それは1型、2型の双方を抑制するためです。COX1は生理的に存在し胃粘膜の保護、胃粘膜の血流の維持に関与しています。
 一方COX2はサイトカインの刺激により発生し、PGE2を生成します。炎症反応初期に関与してくる酵素です。
つまりCOX1を守りつつ、COX2を選択的に阻害する薬こそが消炎鎮痛剤としては理想的ということです。
COX2選択的阻害剤は保険上使用可能ですが選ぶか選ばないかは医師の裁量です。現在COX2選択的阻害剤で医師が使用可能なものは、エトドラク(商品名 ハイペン、オステラック、ライペック)、メロキシカム(商品名モービック)、セレコキシブ(商品名セレコックス)があります。しかしながらセレコキシブ類似のロフェコキシブにおいてCOX2の阻害によりTXA2の活性が高まり血栓誘発傾向が出やすいという理由で発売が中止された経緯もあります。
 その一方セレコキシブやメロキシカムにおいては、抗癌作用もあることが判明してきました。代表例は腸に於けるポリープ発生抑制作用です。
特に大腸癌の発生しやすい家系などでは将来的には発生抑制剤としての期待が寄せられています。
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2010.12.06
11月は来院数が2210名、診察患者数が1751名でした。インフルエンザの注射数も1500を超えましたので多忙な一ヶ月でした。
 12月に入って、やはり咽喉頭痛の風邪の患者さんがとても多い印象です。ノロウィルスの患者さんはこの地区ではまだ余り多くありません。
 ノロウィルスについての一般的な注意は皆さんテレビでもご存知かと思いますが、2点のみ特に注意してください。
 一つは飛散するウィルスですということです。感染経路は圧倒的に口からの侵入が多いのですが嘔吐したものや、便で汚染された下着についたウィルスは乾燥すると空気中に飛散します。これが集団感染の起こしやすい理由です。
 もう一つは感染の症状です。まず嘔気が生じます。しばらくしてから猛烈な下痢に見舞われます。嘔気が過ぎて下痢になってもウィルス排出までは下痢止めは飲んではいけませんというような記載が多いですが、タイミングとしては下痢を起こして半日後くらいから下痢止めを飲まないと体の体力のほうが消耗してしまい、回復が遅くなるような傾向があります。
昔は下痢の時には絶食が基本でしたが、今はこれは却って体力を消耗し免疫能も低下し回復を遅らせるというのが一般的です。
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2010.11.29
 風邪がかなり流行してきました。咽喉頭痛が主体の患者さんが多いと感じています。
 一方テレビではノロウィルス感染症が大流行という報道がありました。
まだ馬場医院では流行したという感じがありませんと金曜日までは思っていましたが、土曜日になって急増しています。そのため土曜日の午前中だけで来院患者数が100人を突破しました。月末はいつも暇なのでとても多い数です。
 インフルエンザは今日A型の患者さんが1名出ました。馬場医院では3人目の患者さんです。気候が寒くなり、湿気がなくなるとインフルエンザは流行してきます。もう12月になりますのでお早めに予防接種はしてください。
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2010.11.24
 ワクチン接種は1300名を超えました。インフルエンザの患者さんは幸いなことに未だ2名のみです。
喉の痛む風邪やノロみたいな風邪はぼちぼち流行ってきました。

 今日は新薬サムスカについて説明します。
サムスカという薬は、大塚製薬から10月27日に発売されました利尿剤です。循環器科の先生方は電解質排出に影響を与えないという理由で、糖尿病の先生方は血糖に影響を与えないという理由で注目していた薬です。
心臓等が悪いと体が浮腫みます 浮腫みを取るには強心剤と利尿剤が欠かせません。
心臓が悪いか否かはHANP、BANP等の酵素を計れば判明します。これらは心臓が水をくみ出すのに必要な酵素量を反映しているからです。
 しかしながらここで利尿剤を投与すると困ることがいくつか出てきます。カリウムの低下、尿酸値の上昇、血糖値の上昇等、いわゆるサイアザイド系の利尿剤には様々な副作用があります。従って、カリウム製剤、高尿酸血症を防ぐ薬剤等を併用する以外にも、糖尿病がある場合には特に血糖値の上昇に医師が悩まされてきました。サムスカ(一般名トルバブタン)は抗利尿ホルモンのバゾプレッシンのV2受容体に拮抗する薬剤です。バゾプレッシンは脳下垂体の後葉から分泌されるホルモンで、腎臓の細胞膜にあるV2受容体に作用しアデニル酸シクラーゼを活性化します アデニル酸シクラーゼ(AC)はATPからcAMP(サイクリックAMP)を合成し、cAMPはAキナーゼ(PKA、プロテインキナーゼA)を活性化します。PKAは腎集合管内にあるアクアポリン2(AQP2)を管腔側に移行させて管腔内の水分を細胞内に再吸収します。このホルモンのみをブロックするため水分の再吸収が阻害され利尿が得られる仕組みです。この効果はいわゆる今までの利尿剤の副作用を防ぐ薬剤です。
 現在広く使用されている糖尿病の新薬もホルモン拮抗作用ですから今後この手の新薬が益々開発されることは望ましいことです。
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2010.11.18
奥多摩の若干糖尿病のある患者さんが来て、痔があるので薬をと乞われたので念のため便の潜血検査を薦めたところ、2回中2回とも陽性。井上胃腸科の井上院長先生に腸の内視鏡を依頼したところ、大腸がんと判明。大腸がんは糖尿に合併しやすいので発見できてよかったです。
 問題はここからです。 まず手術の前には転移の有無をチェックしなければ意味がありません。転移のあるのに無理やり手術させられても費用の無駄だけです。
一番の武器はPET検査です。PETのある病院は非常に数が少ないので、多くの患者さんは転移に関しては十分な検索が行われないまま手術されてしまっています。
 次にこの患者さんのように内科的に問題がある患者さんの場合、専門の内科医がいるかどうかも問題です。医師の少ない病院では消化器内科の医師が片手間に糖尿のコントロールをするためなかなかうまくいかないこともよくあります。理由は簡単で手術の際には食事が出来ないので首の内頚静脈から24時間の高カロリー栄養の点滴(IVH)用の管を入れ、24時間栄養管理をします。糖尿病の方の場合はこの高カロリー栄養の対しての体からのインスリンの分泌が鈍いため、往々にして高血糖になってしまいます。
ところが消化器内科の医師などが対応すると細かなインスリンの投与に慣れていないため、1日に2回タイプのインスリン投与で適当に済ますため十分なコントロールは不可能で、専門医がいて1日4回接種の細かなコントロールのできる病院の血糖のコントロールレベルには程遠く、結果的に高血糖状態が続き、最悪の場合、免疫能が落ちて肺炎併発などというのもよくある話です。
さらに術後の抗がん剤治療も(以前お話したアバスチンなどの増殖因子阻害剤の治療)まともに出来ないような施設ですと、再発率も上がってしまいます。
ですから一生に1回か2回かの手術ですから、できうる限りまともな病院選択をして下さい、というのが我々開業医の願いです。
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2010.11.17
インフルエンザのワクチンに対する質問に対する答えから
「12歳以下は1回ですか、2回ですか」という質問。
厚生労働省では一応2回までという推薦はしています。
ただ免疫学的には2回打つなら時期をあけるほうが有効です。 初回を11月にうって2回目を1月初旬に打つとしたら理想的です。
現に私の行っているホームではこの方式を取っています。医療機関としては安くしてでも2回接種を誘致する方式を取るところもありますが、1回でも十分の免疫が得られます。お酒を飲む例えにしますと酔いがさめる頃にもう一杯飲むほうが、駆けつけ2杯飲むよりも長い時間、酔いが得られます。
成人は1回接種で十分と思われますがホームで施行しているような1月にもう一回という接種をすれば、より確実であることは事実です。
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2010.11.12
10月に納入してもらった1200人分のインフルエンザワクチンを10月23日から接種し始めましたが、11月12日土曜日の接種分で枯渇しそうなので追加発注しました。
今年は例年よりも関心が高く接種割合も多いように感じます。
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2010.11.08
 先月はインフルエンザや予防接種、健診のみのいわゆる保険外を除いて1700名の患者さんに来院していただきましたが、前年度、一昨年度の実績には追いつきませんでした。
11月に入って風邪の患者さんが急増しています 朝方が寒いせいだと思います。これにインフルエンザの接種患者さんが加わったため、土曜日はインフルエンザの接種患者さんが80名に達しました。
一般の接種価格を低めに抑えているため、かなり遠方からも来ていますが、当院の本当の目的はかかりつけの患者さんの自費負担金は最小限にしようということです。
私が患者だった頃に診断書が必要で、知り合いの病院の息子に頼んだら、うちに来いよと言われて行ったら、診断書料を5000円徴収され、何故か詐欺にあったような感覚でした。患者さんに中にもインフルエンザでかかって、治癒した後に会社から診断書を出しなさいと言われ、かかった診療所に診断書を頼んだら3000円とか4000円とか請求され、冗談じゃねえよ と 思った事があると思います。自分自身のこのような経験から当院では自費にあたるものはできうる限り、費用のかからないように配慮しています。
 具体的には会社の健診費用、レントゲンを含む診断書、単純な診断書等の費用です。
どの位かが適切価格かは分かりませんが書き切れ1枚が3000,4000円では高いと思うのは患者さんばかりではありません。
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2010.11.02
インフルエンザの予約が1000名を突破しました。
昨年よりも圧倒的に早いペースです 一般の方の価格差が歴然としているので、かなり遠くからの患者さんもネット経由で情報を掴んでいるのか、応募がありました。既に200名に接種しましたが今年は予約数が例年以上です。
 今日インフルエンザ患者の第1号が出ました。下郷の患者さん(40台の男性)です。
日曜日から39度近い熱を出していたので来ましたと言っていました。タイプはA型です。新型か旧型かは判別つきませんが症状はしっかり出ていました。
 今年からインフルエンザの治療薬に国産の吸入剤が発売されました。しかも1日に1回のみ吸入です。タミフルやリレンザのように4日間の服用は不要です。
つまりその後の服用も吸入もいらない新薬が出ました。大人は20mg2本を4吸入で吸うように指示され、小児は20mg1本を2吸入で吸うように指示されています。
これも中学生あたりから一気に2吸入から4吸入にドーズアップされていますので、馬場医院では体重の軽い大人や、小柄な中高生や華奢な女子学生には3吸入を薦める対応にして副作用を防止しようと思っています。
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2010.10.26
健診は今週で終了いたします。例年通りの人数の患者さんが受けられました。
 明日から急に西高東低の気圧配置になり寒くなるそうです。最高気温が12度前後になり、最低気温が0度近くになり、かつ湿度が低下してくると本格的に、上気道炎、インフルエンザともに一気に増えます。
インフルエンザの予約も800名を突破しました。今年は65歳以下が3600円を最高額で、それ以下の価格は各医院の任意設定となったため、奥多摩地区と1000円以上の価格差がありますので奥多摩の住民が青梅地区に集まっているそうです。予約は是非してください。

 昨日、腹部の鈍痛の患者さんがみえました。最初は便秘気味で腹痛があるとの事でした。腹部単純写真では肝臓の下に出るフリーエアーはないので胃潰瘍や十二指腸潰瘍の穿孔例ではないと確信できましたが、大量の便が見てとれました。腸閉塞を示唆するニボー像はなく、腸閉塞も否定できました。すぐには便も出そうに無いのでとりあえず、点滴しながら様子を見ていると、しばらくして悪寒を訴えてきました。
 この時点で急性腎盂腎炎も疑いましたが、腹痛が症状に一致しません。腎盂腎炎なら膀胱炎症状があっていいし、腹痛が段々ひどくなるのは腎盂腎炎の症状に合致しないので、この時点でacute abdomen(急性腹症)と確診し市立の救急に送りました。結果は結腸憩室の穿孔で腹膜炎の合併でした。
憩室穿孔というのは、腸に動脈瘤のような薄いふくらみが出来てしまい、便秘や蠕動がもとでここが破け、便が腹腔内に撒き散らされて、腹膜炎を起こすものです。腹痛が主症状ですが、便の大腸菌が腹膜炎の原因になるため、腹膜炎による悪寒戦慄を伴うことがあります。
治療は手術しかなく、緊急手術を市立病院の外科でしていただきました。
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2010.10.21
インフルエンザの予防接種を本格的に始めました。
奥多摩の患者さんが高齢者なのに2500円徴収されたといっていましたが、厚生省で均一2200円と決められていますので、奥多摩の診療所が単なる徴収ミスと思います。

 今日は譫妄のお話をします。前にもお話しているのでかぶっていたらすいません。
譫妄は脳の異常な精神状態です。見えないものが見える、この症状が一般的です。
 以前、沢井のおばあちゃんが勝仙閣のほうから私を見ている人がいるといつも訴えていたのが印象的です。遠くから誰かが見ているという訴えに加え、天井から見られている、庭に誰かがいるという訴えまで色々です。
譫妄は入院時に悪化することがあり、麻酔薬や、鎮痛剤が原因では疑われています。
又、長期の安定剤服用やアルコール中毒なども原因に挙げられています。譫妄は夜間に悪化する傾向が多く、日没現象と呼ばれています。
 治療は神経内科で治療していただくのが一番で、当院でも専門の神経内科医に紹介しています。治療薬は大抵はグラマリール(チアプリム)が使用されることが多く、これでかなりは治ります。
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2010.10.18
 昨日のこと、療養型ではない、急性期一般病院に紹介した患者さんの家族から医療費とは別に、1月の自費が75000円かかりましたと、苦情のような訴えがありました。
医院側はこの手の自費は知らなかったので謝りましたが、内訳は寝巻きと歯ブラシのリース代で1日あたり2500円との事でした。
何でこんなにも費用がかかるのか、とても不思議でした。寝巻きなら3500円もあれば毎日新品に変えられます。病院でなく業者に支払う契約を入院時に契約する仕組みだそうです。
 他の病院でも同じようなことがあると、又、苦情を浴びるので数件の一般病院にきちんと名前を名乗って聞いたところ、同じようなシステムのある病院は一軒もありませんでした。今後は紹介時に、この自費の件を伝えておくことにします。

 今日は大変興味深いケースについて報告します。他の病院でインスリン治療をしている患者さんが、経口薬で治療して欲しいとの訴えで来院しました。
インスリンの単位数が少ないので可能かもしれませんが難しい症例であることは間違いありません。5日後に経過を報告します。
最近は画期的な新薬の登場で、これを併用していくことでかなり経口薬の可能性が広がったことは事実です。
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2010.10.12
 今日は鉄欠乏性の貧血についてのお話です。
 まず原因から。
通常最も多いのが出血です。消化管が最も多く、ついで性器出血が続きます。男性には分かりにくいことですが生理に伴う過剰の出血です。
消化管では、癌、潰瘍、ポリープからの出血が多く、胃切除後や萎縮性胃炎に伴う吸収障害も原因の一つにあげられます。
性器の出血は、過多月経に伴うものが多く、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮癌が原因となります。
 まず指摘されたら服薬の前にしっかり原因究明をすることです。これをせずに治療を始めるのは最悪の選択です。
 例えばポリープなら切除するだけで自然と治ります。潰瘍も治療で改善すれば鉄剤の治療は不要です。
癌の場合はこうはいきません。しっかりと治療が必要です。治療ですが、ワンパターンの薬しか出さない医者がいますがこれはもっと最悪です。鉄剤は4種類あり、それぞれに患者さんとの相性がありますから、副作用で飲めない場合は種類を変えてもらわなければ治りません。
 市販の鉄を含有するものや、食事での鉄剤の吸収もいいことですから是非やってみてください。
但し健康食品においては鉄剤を密かに含有している場合は相性が悪い場合、継続服薬が不能になりますから、注意を。
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2010.10.07
 健診は今月で終了です。既に名簿上は800人を超えていますが、まだ未施行の方がいるのでお早めにお願いします。
インフルエンザは価格を抑え、かつ大量の在庫を確保しますので11月ごろからで結構です。余り急がないようにしてください。

 今日は咽頭粘膜のことを話します。ウィルスが喉や口腔から侵入すると火星探査機の突起のようなものを出して咽頭粘膜に着地します。
 これが感染の第一歩です。従って、カテキンのうがいなどは喉をつるつるさせて着地しにくくさせますので効果があります。
逆に、喫煙やカラオケなどで咽頭粘膜にざらつきがありますと着地しやすくなります。感染すると粘膜が腫脹と共に発赤し、痛みも伴いながら、また粘液の流れも阻害します。
すると痰が切れにくくなり切ろうとして咳も出ます。このいがいがしたのを取ろうとして痰を切るようにガーット痰を無理に出そうとすると痰も切れますが粘膜が剥離してさらにひどくなります。
 どうしてもこれを取りたかったらハンドシャワーのお湯をで喉に向けることのほうが粘膜の剥離が無くなり、安全です。ハンドシャワーの場合、表面についた痰の塊を水圧で除去するのに対し、ガーット痰を無理に出そうとすると粘膜の剥離を際立たせるためにかえって逆効果です。
よく喀痰溶解剤をダブって処方する医師がいますが、これは医療費の無駄以外の何者でもありません。粘膜表面にこびりついた痰はそう安々とは剥がれません。
 まず、ウィルス性の風邪では炎症を抑えること、次に感染して緑色の痰になった場合は抗生剤で感染を除去することが肝心です。
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つづきを読む。
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